研究概要 |
(1)西太平洋小笠原海域の海形海山KC峰中央火口丘で採集された埋没型イガイ科二枚貝の新種記載論文をオオマユイガイGigantidas horikoshiiとして日本貝類学会誌(Venus)で公表した。また、オオマユイガイについては、2005年8月12日の朝日新聞に掲載された。 (2)パプアニューギニアのマヌス海盆の熱水活動域で採集されたシンカイヒバリガイ属二枚貝の形態分類学的検討結果を取りまとめ、海洋研究開発機構主催の第22回しんかいシンポジウムで発表した。今後、記載論文として投稿予定である。 橋本惇・古田真紀子(2006)マヌス海盆熱水活動域に生息するシンカイヒバリガイ類の分類学的検討.第22回しんかいシンポジウム予稿集,80-81. (3)沖縄トラフ南奄西海丘の熱水噴出域で採集されたシンカイヒバリガイ亜科二枚貝の形態分類学的検討を行い、オオマユイガイ属に属することを確認した。このオオマユイガイ類はこれまでに記載されているGigantidas gladiusとGigantidas horikoshiiと形態学的観点から容易に区別可能である。現在。投稿準備中である。 (4)また、1998年に発見された喜界島沖の冷水湧出域で採集され、未同定であったシンカイヒバリガイ属二枚貝についても形態分類学的検討を行ったところ、相模湾の冷水湧出域および沖縄トラフの伊是名海丘の熱水噴出域で採集され記載されたカヅキシンカイヒバリガイBathymodiolus aduloidesであることが確認された。今後、他の研究機関で遺伝子による系統解析が行われる予定である。 (5)成果公表用消耗品およびシンカイヒバリガイ類のサンプル処理・整理に必要なサンプルビン等を購入すると共に海洋研究開発機構、東京大学海洋研究所、国立科学博物館の研究者と研究打合せなどを行うため出張した。
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