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2003 年度 実績報告書

頭部筋肉系の形態に基づくスズキ目・ナンキョクカジカ亜目各科の系統類縁関係

研究課題

研究課題/領域番号 15570086
研究機関東京家政学院大学

研究代表者

岩見 哲夫  東京家政学院大学, 家政学部, 助教授 (80183200)

キーワード魚類 / 筋肉 / 南極 / ナンキョクカジカ亜目 / 系統分類 / 骨学的形質 / 分岐分類 / 異時性
研究概要

現時点でナンキョクカジカ亜目8科38種について,特に閉顎筋に注目して詳細なアトラスを完成させた。この段階でナンキョクカジカ亜目の主要なグループについて比較検討が可能となったので,閉顎筋の形態形質のみを利用して,予報的に当該亜目グループの系統関係を推定することができた(裏面発表論文参照)。ただし,形質数が少ないこと,一部の形質についてその極性決定が困難であったことなどから,具体的な系統類縁関係の提唱は行わなかった。現時点では,組織学的手法を用いないマクロな解剖による形質評価となっているので,今回見出された形質について,その筋繊維の構成などを追って筋肉の同定をすすめるなど,さらに詳細に解析を進める予定である。
閉顎筋のみによるナンキョクカジカ亜目の系統関係の再検討では,ナンキョクカジカ科が多系統的な様相を呈していることが明らかになった。特に,申請者も従来用いてきた骨学的形質から構築された系統関係と不整合を示す部分があり,極めて興味深い結果となった。また,今回初めて,カモグチウオ科のキバゴチが魚類全体を見ても極めて特殊な形態の筋肉を有していることが明らかとなった。この形態の適応的,系統分類学的に意義に関しては,発生段階から再検討することが必要と判断されたので,これについては現在,稚魚期の材料を収集して解析を始めている。ヘモグロビンを持たないという生理学的形質からも特化した分類群として認識されるコオリウオ科魚類については,閉顎筋の形態においても特化傾向が見られたが,同様の傾向はカモグチウオ科にも見出され,閉顎筋に関してはコオリウオ科の固有派生形質を確認することはできなかった。これは,カモグチウオ科とコオリウオ科の類縁性を示すものではあるが,可能な限りそれぞれの分類群の固有派生形質を見出すべく,さらに詳細な解析を進めている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Tetsuo IWAMI: "Comparative morphology of the adductor mandibulae musculature of notothenioid fishes (Pisces, Perciformes)."Antarctic Science. 16(1). 17-21 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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