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2004 年度 実績報告書

GPIアンカー型神経細胞接着分子TAG-1によるシグナル伝達機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 15570106
研究機関(財)東京都医学研究機構

研究代表者

笠原 浩二  財団法人東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (60250213)

キーワードスフィンゴ糖脂質 / ラフト / GPIアンカー / シグナル伝達
研究概要

我々は脳神経系におけるガングリオシドの機能を解明することを目的として、ガングリオシドが何らかの神経機能に関わる分子と会合していることを想定し、抗ガングリオシド抗体による免疫沈降で共沈させ単離することを試みてきた。その結果、ラット小脳顆粒神経細胞において抗ガングリオシドGD3抗体で、80kDa,56/53kDa,40kDaのリン酸化タンパク質,135kDaタンパク質が共沈することを見つけた。そして80kDaはsrcファミリーキナーゼ基質Csk-binding protein(Cbp)、56/53kDaはsrcファミリーキナーゼLyn、40kDaは神経特異的三量体Gタンパク質Goのαサブユニット,`135kDaはGPIアンカー神経細胞接着分子TAG-1であることを報告してきた。そしてTAG-1は脂質ラフトにおいてLynを介して細胞内にシグナルを伝達していることを示してきた。
Cbpは脂質ラフト膜貫通タンパク質で、srcファミリーキナーゼのネガティブフィードバック調節に関わっていることが知られている。CHO細胞はガングリオシドとしてはGM3のみを発現しておりGM3はGD3合成酵素の基質であるので、CHO細胞にGD3合成酵素遺伝子cDNA、をトランスフェクションするとガングリオシドGD3を発現するようになる。さらにこの細胞にCbp cDNAを発現させると、抗ガングリオシドGD3抗体でCbpが共沈し、GD3とCbpの会合が再構成系においても確認できた。またCHO細胞にCbp, Lynを共発現させるとChpがチロシンリン酸化され、CbpはLynの基質タンパク質であることが確認できた。次に小脳発生に伴うLyn, Cbpのシグナル伝達について調べてみた。発生初期および成体ともに、Lyn, Cbpタンパク質は脂質ラフト画分に検出されたが、活性化型Lynとチロシンリン酸化型Cbpは発生初期のみに見られた。このときのCbpのリン酸化部位は314番目のチロシンであることがリン酸化特異的抗体により確認された。またLyn, Cbp, TAG-1は成長円錐画分に濃縮していることをすでに見出している。この結果は、TAG-1の脂質ラフトにおけるLyn/Cbpを介するシグナル伝達は、小脳発生初期の顆粒細胞成長円錐でおこっていることを示唆している。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2005 2004 2003 その他

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] 神経細胞接着分子TAG-1の脂質ラフトを介するシグナル伝達2005

    • 著者名/発表者名
      湯山耕平, 鈴木直子, 佐内豊, 笠原浩二
    • 雑誌名

      膜 30(2)

      ページ: 91-93

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] アルツハイマー病発症の鍵を握るガングリオシド2004

    • 著者名/発表者名
      笠原浩二
    • 雑誌名

      実験医学 22(12)

      ページ: 1719-1720

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 神経系における脂質マイクロドメイン2004

    • 著者名/発表者名
      鈴木直子, 湯山耕平, 佐内豊, 笠原浩二
    • 雑誌名

      蛋白質核酸酵素 42

      ページ: 2397-2403

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Lipid rafts in cellular signaling and disease.2003

    • 著者名/発表者名
      Yuyama K. et al.
    • 雑誌名

      Trend.Glycosci.Glycotech. 15

      ページ: 139-151

  • [雑誌論文] Biochemical and molecular characterization of two phosphatidic acid-selective phospholipase A1s, mPLA1α and mPA-PLA1β.2003

    • 著者名/発表者名
      Hiramatsu T et al.
    • 雑誌名

      J, Biol.Chem. 278

      ページ: 49438-49447

  • [雑誌論文] Structures and dynamics of glycosphingolipid-containing lipid mixtures as raft models of plasma membrane

    • 著者名/発表者名
      Hirai M et al.
    • 雑誌名

      J.Phys.:Condens.Matter (印刷中)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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