研究課題
基盤研究(C)
(i)NtpIの第7膜貫通αヘリックスの膜表面近傍に位置すると推定されるH626及びE634残基がV-ATPase NtpI(subunit a)間で保存されている残基であることを見い出した。H626R及びE634Qなどの置換変異体ではV-ATPase活性が完全に失われたことから、これらが新たな機能性極性残基であることが明らかになった。(ii)NtpKサブユニットの第4膜貫通αヘリックスに存在する酸性残基E139(kE139)がイオン結合の中心残基である。kE139D変異酵素を精製しその性質を調べた結果、ATPase活性に対するNa+の親和性が野生体の約1/4に低下していた。kE139D変異に対する部分サプレッサー変異としてkV138L変異を単離した。kV138残基に対する特異的変異導入の結果、kV138M/kE139D二重変異体でNa+に対する親和性が回復し野生体に近いATPase活性が見られた。kE139のカルボキシル基の空間配置がNa+の親和性に厳密に作用することがわかった。(iii)Enterococcus V-ATPase精製V1 NtpBサブユニットに対するATPのphotoaffinity label実験により、NtpBサブユニットにヌクレオチド結合部位が存在することを明らかにした。(iv)イオン結合回転ローターを構成するNtpKサブユニットリングの精製に成功した。イオン結合ローターリングはNtpKサブユニットの7量体であることを、生化学的解析及び精製NtpKサブユニットリングの電子顕微鏡画像解析より示した。
すべて 2004 2003
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Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry 68
ページ: 293-299
Journal of Biological Chemistry 278
ページ: 21162-21167