標的(ユビキチン類似)タンパク質の精製:マウスの肝臓(動物実験倫理基準カテゴリーB)をミキサーでホモジェナイズし、ブタノール抽出した。次に、リン酸緩衝液で透析後、硫安分画(1.7M硫酸アンモニウム)し、沈査を10mM Tris-HCl(pH7.4)に再溶解して充分に同じ緩衝液に対して透析した。更に、DEAE陰イオン・クロマトグラフィー、Phenyl Sepharose疎水精クロマトグラフィー、hydroxylapatite吸着クロマトグラフィーを順次施し、目的のUbi-L複合体を精製した。尚、スクリーニングには既に作成済みのウサギ抗Ubi-L抗体を利用したウエスタンブロット法によった。引続き、等電点電気泳動法、ゲルろ過法(Sephacryl S200)、逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動法による検出(銀染色法)で、単一なバンド(33.5kDa)にまで精製した。 質量分析による標的タンパク質の同定:ゲルをZn染色して目的の33.5-kDa Ubi-L複合タンパク質を切り出し、ジチオスレイトール(DTT)およびヨードアセトアミド処理により、タンパク質を還元S-カルボキシメチル化した後、ゲルをグルタミン酸残基特異的酵素であるV8プロテアーゼで消化した。同様に準備したゲルをTPCK処理トリプシンで消化した。消化済みペプチド断片を50%アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸で抽出し、凍結乾燥後、0.1%TFAに再溶解して、MALDI-TOF-Massスペクトロメトリー解析した。Ms-Fitプログラム(フィンガープリント法)およびGene Bankデータを活用して、標的タンパク質を新規アポトーシス誘導タンパク質、Bcl-Gと同定した。更に、RACE法により、完全長cDNAをクローニングした。
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