• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

多種多様な細胞間シグナルを発信・変換する多機能セクレターゼの制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 15570121
研究機関札幌医科大学

研究代表者

坂根 郁夫  札幌医科大学, 医学部, 助教授 (10183815)

キーワードジアシルグリセロール / ホスファチジン酸 / ジアシルグリセロールキナーゼ / 腫瘍壊死因子α / リン酸化 / トランスロケーション / ホルボールエステル / プロテインキナーゼC
研究概要

腫瘍壊死因子α変換酵素(TACE)はTNFαのみならず、腫瘍化増殖因子α、Notch、L-セレクチン、βアミロイド前駆体蛋白質やプリオン等の極めて多彩な基質を切断・遊離するセクレターゼであり,ホルボールエステル(PMA)や増殖因子等によって活性化される。我々は最近、ジーンターゲティングにより、ジアシルグリセロールキナーゼ(DGK)のδアイソザイム(II型)がTACE活性を厳格に制御していることを初めて明らかにした。本研究はDGKδの刺激による活性化機構や動態変化を解析することにより,未だ殆どブラックボックスであるTACEの活性制御機構を明らかにすることを目的としている。既に我々はDGKδがPMA刺激によってリン酸化され,このリン酸化と本酵素の細胞質から細胞表面膜への移行が密接に関与することを見出している。今回,このリン酸化部位の同定を試み,その一部がプレクストリンホモロジー(PH)ドメイン中のSer22とSer26であることを明らかにした。また,このリン酸化はクラシカル・プロテインキナーゼC(cPKC)によるものであることが強く示唆された。これらのSer残基のどちらか一方をAspに代えると表面膜移行が阻害された。従って,DGKδの表面膜への移行がcPKCにより負に制御されていると考えられる。尚,以上の結果をまとめた論文は現在投降中である。更に,II型DGKの選択的スプライシング産物δ1,δ2とη2はSAMドメインを介してホモあるいはヘテロオリゴマーを形成することを明らかにした(村上ら,J.Biol.Chem.278,34364(2003))。3種のDGK分子の順列組合せがこのオリゴマーに大きな多様性及び多機能性を付与し,TACEの基質多様性に寄与する可能性がある。現在,DGKδ又はDGKηと相互作用するタンパクを酵母two-hybrid法により検索中である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Yamada K., Sakane F., Imai S., Tsushima S., Murakami T., Kanoh H.: "Regulatory role of diacylglycerol kinase γ in macrophage differentiation of leukemia cells"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 305(1). 101-107 (2003)

  • [文献書誌] Murakami, T., Sakane, F., Imai, S., Houkin, K., Kanoh, H.: "Identification and characterization of two splice variants of human diacylglycerol kinase η"J.Biol.Chem.. 278(36). 34364-34372 (2003)

  • [文献書誌] Jia, Y-J., Kai, M., Wada, I., Sakane, F., Kanoh, H.: "Differential localization of lipid phosphate phosphatases 1 and 3 to cell surface subdomains in polarized MDCK cells"FEBS Lett.. 552(2-3). 240-246 (2003)

  • [文献書誌] Ito T., Hozumi Y., Sakane F., Saino-Saito S., Kanoh H.et al.: "Cloning and characterization of diacylglycerol kinase ι splice variants in rat brain"J.Biol.Chem.. in press.

  • [文献書誌] 坂根郁夫, 山田恵子, 加納英雄: "生物薬科学実験講座 情報伝達物質[II]「ジアシルグリセロールキナーゼ」(石橋貞彦, 市川厚, 堅田利明編)"廣川書店(印刷中).

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi