研究概要 |
1)各種のprotein 4.1(4.1R,4.1G,4.1N,4.1B)に対する特異抗体を用いた細胞免疫染色により、飽和状態のHeLa cellの細胞-細胞間接着部位には、分子量〜135kDaの4.1R^<135>及び4.1Nが局在し、細胞質には4.1Gが観察された。4.1Bは染色されなかった。 2)Resonant Mirror Detection (RMD)法を用いたIAsys^<TM>による反応速度論的解析により、CD44細胞内ドメイン(CD44cyt)に対する、4.1R^<135>(全長)及び4.1R head-piece (Hp)+30kDa(膜結合ドメイン)の平衡解離定数は〜10^<-7>Mであった。 3)4.1Rおよび4.1GのHPと30kDaのキメラ蛋白質(RHP+G30及びGHP+R30)を作製し、細胞膜貫通蛋白質(band 3、glycophorin C)の細胞質ドメイン、p55、CD44cytとの結合に及ぼすカルモジュリン(CaM)の影響をIAsys^<TM>による反応速度論的解析を行なった。 Wild type (RHP+R30及びGHP+G30)は、全長の蛋白質と同様にCa^<2+>/CaMにより膜貫通蛋白質との結合が阻害されたが、キメラ蛋白質は、平衡解離定数が約10倍高くなった。この結果は、30kDaとCa^<2+>/CaMの複合体と膜貫通蛋白質との結合の結果と同じであり、キメラによってHPの膜結合への制御機能が失われることが明らかになった。 4)キメラ蛋白質をGFP融合蛋白質としてHeLa cell内に強制発現すると、GHP+R30は細胞膜に局在し、RHP+G30は細胞質内に分布した。この結果は、3)のin vitroでの結果を支持している。
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