RnlAエンドヌクレアーゼの活性解析 RNase LSの必須遺伝子として同定したrnlA(旧名yfjN)の発現系をつくり量産を試みたところ封入体を形成し不溶性となった。様々な方法で可溶化を試みたものの成功しなかったので、His-RnlA量産に切り替えた。His-RnlAは可溶性分画に検出できたので数種類のマトリックスを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製したところ予想通りエンドヌクレアーゼの活性を示した。しかし、in vivo或は細胞抽出液を用いたin vitro系で検出されるRNase LSの活性と比べ極めて単純な特異性を示す上、比活性は100分の1程度であった。 RNase LS構成成分の同定 細胞抽出液中に見出されるRNase LS活性成分の一つである1000kDa複合体にRnlAが含まれることを確認した。His-RnlAを発現させた細胞抽出液からNiビーズを用いてpull-downしたところHis-RnlAと共に少なくとも10種類のタンパク質が回収された。これらのタンパクの内、主要なものについてアミノ酸配列を決定したところ糖代謝やクエン酸回路に関与する酵素が含まれていた。このことから、RNA分解とエネルギー代謝との関連性が浮上してきた。 翻訳に依存したmRNA切断機構の解析 終結コドンと下流切断点の間隔を、欠失或は挿入により変化させたところ切断点も移動した。また、切断点を含む配列を取り除いたところ、代わりの切断点が生じた。これらのことから、RNase LSによる切断はリボソームが結合したmRNAの3'側辺縁部で生じることが強く示唆された。また、切断部位を含む領域は2次構造をとらないことが切断の条件であると考えられる結果を得た。
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