RNase LSの構成成分 活性に必須なrnlAを同定し、His-RnlAがエンドリボヌクレアーゼ活性をもつことを確認した。また、His-RnlAを含む1000kDa複合体を構成すると考えられるタンパク質を多数同定した。rnlAの下流に存在するyfjOの破壊株を作成することによって、yfjOも必須であることを証明した(yfjOをrnlBと命名)。RnlBも1000kDa複合体に含まれることが明らかとなった。 RNase LS活性の解析 RnlAのエンドリボヌクレアーゼ活性は単純であり、比活性も低い。一方、1000-kDa複合体に含まれるTpiAとSucBの変異体ではRNase LSの活性が低下した。複合体に含まれるCrpの変異体についてはRNase LSの活性は正常であったが、興味深いことにrnlA変異体ではCrpによって誘導されるはずの糖利用能力が低下した。また、RNase LSが翻訳終結に依存してmRNAを切断する活性をもつことが明らかとなった。 RNase E、G、LSの活性調節 感染直後にRNase EとGを活性化するT4の遺伝子がtk2領域内に存在することを発見した。この遺伝子を同定するために、tk2領域の20遺伝子をブロックに分けて4種類の欠失変異体を作成した。その結果、RNase Eの活性化には1つのブロック内に存在する遺伝子が、またRNase Gの活性化には隣接する2つのブロックそれぞれに存在する遺伝子が必要であることがわかった。T4ファージの感染後期において、後期遺伝子はRNase LSの標的となるが、中期遺伝子は標的となりにくいことが示されている。代表的な中期と後期遺伝子の5'UTR、orf、3'UTRを互いに入れ替えたキメラmRNAを発現させて解析したところ、RNase LSの標的を決定する領域は3'UTRであることが判明した。
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