DNAポリメラーゼφの生体内での機能を解析するために、新しいタイプの変異株の構築を行った。DNAポリメラーゼφの遺伝子の上流に高温にするとユビキチンのたんぱく質分解系の基質となるペプチド(デグロン)を挿入した株を作成した。この株は高温(37度)で致死にならなかったので分解系のUBC4遺伝子産物を大量に発現するためのプラスミドをこの株に導入した。その結果、高温感受性で致死となる株が得られた。現在その株を用いて機能解析を行っている。 DNAポリメラーゼの機能解析のために結晶化が不可欠でる。そこでDNAポリメラーゼφ並びに、DNAポリメラーゼεの大量発現系の作成を試みている。ベクターとしてはYEUra3およびpYESを用いた。どちらの遺伝子についても完全な形での大量発現は困難であることがわかったので現在は機能を損ねないように部分的な発現を試みている。 DNAポリメラーゼφの変異株の遺伝子発現様式を調べるためにDNAマイクロアレイ法での解析の準備をおこなった。現在、野生株及び変異株から全RNAの分離が終了している。
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