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2003 年度 実績報告書

DNAポリメラーゼβとFENIヌクレアーゼの二重破壊株による塩基除去修復の解析

研究課題

研究課題/領域番号 15570146
研究機関横浜市立大学

研究代表者

小山 秀機  横浜市立大学, 木原生物学研究所, 教授 (40085626)

研究分担者 足立 典隆  横浜市立大学, 木原生物学研究所, 助手 (30264675)
キーワード塩基除去修復 / DNAポリメラーゼβ / FEN1 / ニワトリDT40細胞 / シーンターゲティング / 非相同組換え / 相同組換え / BER活性
研究概要

塩基除去修復(BER)は、細胞内外の要因によって起こるDNAの脱塩基や修飾塩基部位を修復する経路である。BERにはDNAポリメラーゼ(Pol)βが関与するショートパッチ経路と、Polβに加えてPolδ/εとPCNAが関与しフラップエンドヌクレアーゼ(FEN)1によりフラップ塩基を除くロングパッチ経路がある。我々は、ジーンターゲティングによりニワトリDT40細胞からFEN1破壊株、Polβ破壊株およびPolβとFEN1の2重破壊株を作製した。本研究は、これら破壊株の表現型の解析、および異なる塩基損傷の修復におけるショートパッチBERとロングパッチBERの役割分担を解析することを目的として行い、次の結果を得た。(1)2重破壊株は上記2経路の重要酵素が欠損しているが生存可能なことは、代替酵素の存在ないし新修復経路の存在を示唆した。(2)各破壊株の増殖能は野生株より低く、破壊株でアポトーシス細胞が増加した。(3)MMSに対してPolβ破壊株とFEN1破壊株は同程度の高感受性、H_2O_2に対してFEN1破壊株と2重破壊株は高感受性Polβ破壊株は野生株と同程度の感受性を示した。(4)酵母において、FEN1とPolβホモローグが組換えに関与することが知られている。Polβ破壊株は、ベクターの非相同組換えによる染色体挿入頻度が有意に低下しており、逆にβ-アクチンターゲティングベクターの相同組換えによるターゲティング効率が有意に増加していた。(5)各細胞株から核抽出液を作製し、また1ヶ所ウラシルを含む2重鎖オリゴヌクレオチド基質を作製して、ウラシルをシトシンに修復するin vitro活性を測定する条件を確立した。現在、各細胞株のBER活性を測定している。また、今後、8-オキソグアニン等の酸化塩基部位を持つ基質を作製して、in vitroのBER活性を解析・比較する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Adachi, N.: "Hypersensitivity of nonhomologous DNA end-joining mutants to VP-16 and ICRF-193 -Implications for repair of topoisomerase II-mediated DNA damage"J.Biol.Chem.. 278. 35897-35902 (2003)

  • [文献書誌] Enomoto, A.: "Decreased c-myc expression and its involvement in X-ray-induced apoptotic cell death of human T-cell leukemia cell line MOLT-4"Int.J.Radiat.Biol.. 79. 589-600 (2003)

  • [文献書誌] Akimitsu, N.: "Enforced cytokinesis without complete nuclear division in embryonic cells depleting the activity of DNA topoisomerase IIα"Genes Cells. 8. 393-402 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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