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2003 年度 実績報告書

転写開始のためのクロマチン基盤構造の構築機構

研究課題

研究課題/領域番号 15570147
研究機関甲南大学

研究代表者

大山 隆  甲南大学, 理工学部, 教授 (60268513)

キーワードクロマチン / ヌクレオソーム / ベントDNA(bent DNA) / プロモーター / 転写調節 / DNA高次構造
研究概要

(1)真核生物遺伝子のプロモーターデータベースである"EPD (eukaryotic promoter database)"に公開されているヒトのプロモーターの全て(1871種)を対象として、Bolshoyらのアルゴリズム(Bolshoy et al.1991,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88,2312-2316)を用いて、三次元構造を予測した。その結果、ほとんどのプロモターのTATAボックス領域が、ベント構造を形成していることが予測され、イニシエーター領域は、逆にほとんどの場合、直線的構造を形成していることが予測された。また、-100から+60までの領域を対象として、DNAのbendability(可曲性)の解析を行った。その結果、TATAボックスもイニシエーターも共に上流側が"柔らかい"配列で構成され、下流側は"硬い"配列で構成されていることが判明した。
(2)モデリングの結果、プロモーター領域全体が負の超らせん構造を擬態していると予測されたヒトのvWF(フォンビルブラント因子)遺伝子プロモーターと、正の超らせん構造を擬態していることが予測されたKRT1(ケラチン1)遺伝子プロモーターについて実験的構造解析を行った。その結果、どちらの場合もベント構造の中心領域が理論的予測と合致していることが判明した。さらに機能解析を行い、vWFプロモーターでは-267から-212の領域が転写において抑制的に働いていること、ならびにKRT1プロモーターでは、局所的に著しいベント構造が形成されている領域とコアプロモーター領域が重なっていることが判明した。
(3)我々が開発したT20(一過的発現系でプロモーターを活性化できる人工ベントDNA)を2つのloxP配列で挟み、単純ヘルペスウイルスのtkプロモーターの上流に配置したレポーターを作製し、これを1コピーだけゲノムに導入したHeLa細胞株を6株得た。また、creリコンビナーゼを作用させて、それぞれの細胞株からT20を欠失した細胞株も樹立した。これらを対'照として用い、ゲノム上でのT20の転写活性化能を検討したところ、いずれの細胞株でもT20により転写が活性化していることが確認された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Jun-ichi Nishikawa: "Left-handedly curved DNA regulates accessibility to cis-DNA elements in chromatin."Nucleic Acids Research. vol.31. 6651-6662 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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