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2004 年度 実績報告書

転写開始のためのクロマチン基盤構造の構築機構:ベントDNAが担う役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15570147
研究機関甲南大学

研究代表者

大山 隆  甲南大学, 理工学部, 教授 (60268513)

キーワードクロマチン / ヌクレオソーム / ベントDNA(bent DNA) / プロモーター / 転写調節 / DNA高次構造 / 機械的特性 / target-site selection
研究概要

(1)負の超らせんを擬態した180塩基対の合成ベントDNA(T20)は一過的遺伝子発現系でプロモーターを活性化できる。今回、エピソーマルアッセイ系でT20領域に形成されるクロマチン構造を改正したところ、この領域には並進位相(translational positioning)の異なる様々なヌクレオソームが形成されるが、各ヌクレオソーム上でDNAがとる回転上の位相(rotational setting)は、すべて同じであることが判明した。この結果は、一過的遺伝子発現系を用いた解析結果とほぼ同じであった。次にHeLa細胞ゲノムの様々な位置に1コピーのレポーターを組み込んだ6種の細胞株と、Cre-loxPシステムで用いてこれらの株からT20を欠失させた6細胞株を用いて、細胞ゲノム上でレポーター内のプロモーター領域に形成されるクロマチン構造を解析したところ、ゲノム上でもT20にはヌクレオソームが並進的にポジショニングさせる作用はないが、ヌクレオソーム上のDNAの回転的位相を決定する力があることが分かった。つまり、系を問わず、T20細胞には同じクロマチン構造が形成されることが判明した。昨年度の研究で6組の細胞株すべてにおいて、T20の存在によりプロモーターの活性が大幅に上昇していることが確認された。従って、T20がプロモーター領域に結合したヒストンコアの移動を助けることで転写が活性化する機構が考えられる。
(2)昨年度の研究で、ヒトプロモーターではTATAボックスおよびイニシエーターが外の領域とは異なる特徴的な機械的特性を有していることが解明された。今年度の解析で、同じ特性がマウスのプロモーターでも見られることが明らかになった。また、明確なシス配列を持たないプロモーターでは、転写開始点を中心とした数塩基対の領域がTATAボックスやイニシエーターの機械的特性と良く似た特性を有していることが明らかになった。これらの特性は基本転写因子による標的部位の選別(target-site selection)に利用されている可能性がある。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] Core promoter elements of eukaryotic genes have a highly distinctive mechanical property2004

    • 著者名/発表者名
      Yoshiro Fukue
    • 雑誌名

      Nucleic Acids Research Vol.32

      ページ: 5834-5840

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Improvement of the aluminum borate whisker-mediated method of DNA delivery into rice callus2004

    • 著者名/発表者名
      Kiyotaka Mizuno
    • 雑誌名

      Plant Production Science Vol.7

      ページ: 45-49

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Left-handedly curved DNA introduced into episomes can activate transcription in a TATA box-dependent manner2004

    • 著者名/発表者名
      Jun-ichi Nishikawa
    • 雑誌名

      Journal of Advanced Science Vol.16

      ページ: 99-103

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [図書] DNA Conformation and Transcription2005

    • 著者名/発表者名
      Takashi Ohyama(編著)
    • 出版者
      Landes Bioscience (Texas) and Springer-Verlag (New York)(In press)
  • [図書] Nuclear Dynamics : Approaches from Molecular, Biochemical and Visual Biology2005

    • 著者名/発表者名
      Takashi Ohyama(分担執筆)
    • 出版者
      Springer-Verlag(In press)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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