研究課題
基盤研究(C)
最も特徴的なRNAポリメラーゼII(Pol II)制御機構は、Pol II-Rpb1サブユニットC末端ドメイン(CTD)の高度リン酸化・脱リン酸化である。CTD特異的ホスファターゼFcp1、基本転写因子TFIIF、Pol IIは複合体を構成し、Fcp1はPol II-Rpb4サブユニットに結合する。これを踏まえた解析で得た知見を記す。1. Fcp1/TFIIF/Pol II複合体に含まれるTfg3の機能解析(1)分裂酵母Tfg3はTFIIFのサブユニットである。(2)Tfg3は基本転写因子TFIIDにも含まれ、高温下ではTFIIDへの集合が増加する。(3)tfg3遺伝子破壊株は高温、高浸透圧、重金属等のストレスに感受性となり、Tfg3は高温下で遺伝子特異的に転写調節に関与する。(4)tfg3破壊株の高温感受性の多コピー抑圧遺伝子を分離した。2. Rpb4の構造-機能相関:7本のα-ヘリックス構造を単位とした欠失変異rpb4遺伝子導入株の解析(1)Rpb4ヘリックス2、3がRpb4のPol IIへの集合に必要である。(2)Rpb4ヘリックス1を欠くと細胞は高温感受性となる。このとき、Fcp1-Pol II結合は変化せず、高温時にDNA非結合Pol IIのCTDリン酸化が上昇する。したがって、ヘリックス1はFcp1の機能制御に関与する。(3)Rpb4ヘリックス4-7を欠くと細胞は高温感受性となる。許容温度下でDNA結合Pol IIへのFcp1の結合が増加し、CTD脱リン酸化が進む。3. Rpb4/Rpb7サブユニットニ量体結合蛋白質の生化学的分離高等動物転写仲介複合体の構成因子であるグリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ、クロマチン・リモデリング複合体の構成因子であるアクチン等を得た。Pol IIを標的とした高次の転写調節機構が示唆される。
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