研究課題/領域番号 |
15570162
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
湯尻 俊昭 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (80346551)
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研究分担者 |
高橋 徹 山口大学, 医学部附属病院, 医員(臨床)
佐藤 穣 山口大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (20253156)
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キーワード | MEKK1 / FAK / IRS1 / Calpain / Cell migration / Bcr-Abl |
研究概要 |
我々はMEKK1とFAKが細胞内で生理的に結合していることを見出した。Epidermal Growth factor(EGF)刺激によって、その結合が増強され、focal adhesionに局在することを明らかにした。Insulin Receptor Substrate 1(IRS1)はFAKによりその発現は調節されているが、さらにMEKK1も同様にIRS1発現を転写レベルで調節していることを明らかにした。Insulin-like Growth Factor 1(IGF1)刺激によるERK活性化にMEKK1は貢献しているが、IRS1発現に依存しないERK活性化機構に働いていることを見出した。 細胞運動能におけるMEKK1の働きを詳細に検討した結果、MEKK1欠損細胞では細胞移動の際のrear-end detachmentが遅れるために運動能の低下を生じることを明らかにした。MEKK1のfocal adhesionの構成蛋白における影響を検討した結果、MEKK1欠損細胞ではspectrinやtalinのcalpainによるcleavage productの発現が低下していた。MEKK1はcalpainの活性を調節することにより、focal adhesion構成蛋白のリモデリングを変化させ、細胞運動に影響を与えることを示唆した。 さらに、慢性骨髄性白血病のBcr-Abl融合蛋白によるシグナル伝達機構にMEKK1が関与することを見出し、MEKK1-NFkB経路が抗アポトーシス作用に働いていることを明らかにした。.
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