研究概要 |
本研究は、哺乳類精子形成に関わると推足されるspergen-3分子に関して、そのプロファイル解析を行なうことを目的とする。spergen-3は1.9kbの遺伝子で、精巣には生後3週目から発現する。分子量56kDa,500アミノ酸残基をコードし、そのN末側にはタンデムに5個並んだアンキリンリピートモチーフを持つ。spergen-3は、研究上spergen-2としてジーンバンクに登録したので、以後spergen-2と記載する。spergen-2に対する抗ペプチド抗体を作製し、免疫組織化学的解析を行なった所、この分子は、パキテン期後期の精母細胞と精子細胞(step1〜11)の核に局在することが判明した。またイムノブロット法を用いた解析においても、生殖細胞の核分画に存在することが明らかとなった。DNA染色法を用いて詳細な観察を行なった結果、spergen-2は核内のインタークロマチン空間に濃縮していることがわかった。これらの結果は、spergen-2が転写やmRNAのプロセシングに関わっている可能性を示している。現在、spergen-2とDNAの結合実験を行なっている。
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