研究課題
基盤研究(C)
本研究では、人類の前史である中新世類人猿の進化、特にアフリカからユーラシアへの拡散の時代に焦点を当てて研究をおこなった。アフリカにおいては、研究代表者である国松は、従来からケニヤにおいて中新世化石霊長類の研究をおこなってきており、その延長線上に、中新世中期初頭のヒト上科化石や共産するオナガザル上科化石の解析をおこなった。ユーラシアにおいては、特にアジアの中新世類人猿化石の研究に重点をおいた。従来、アジアでは、インドとパキスタンの国境地帯から発見されたSivapithecusと、中国南西部の雲南省から見つかったLufengpithecusが知られていたが、現在、アジア産類人猿が生息している東南アジアでは、中新世の類人猿化石研究は進んでいなかった。しかし、近年、タイ王国において、この時代の類人猿化石が発見され、この地域での研究が進みはじめている。古脊椎動物学、古地磁気学、堆積学など他の分野の研究者との連携を取りつつ、アジアの中新世類人猿化石の解析を進めた。アフリカとユーラシアのあいだでおきた類人猿の拡散に密接に関連すると考えられるものに、ギリシアの後期中新世から知られている大型化石類人猿Ouranopithecus macedoniensisがある。Ouranopithecusは、現生アフリカ大型類人猿との関係も指摘されている。テッサロニキ大学のGeorge Koufos教授の許可を得る事がきたため、同教授の管理下にあるOuranopithecus標本を検討し、東アフリカの中新世化石類人猿との比較を実施した。また、化石を解釈する上で、現生霊長類における形態的変異の理解が重要であるため、我が国が世界に誇るニホンザル標本コレクションを利用して、ニホンザルをモデルにした現生種ないでの頭骨や歯牙の形態的変異の検討も実施した。これらの成果の一部は裏面リストのように雑誌論文として発表され、一部は発表準備中である。
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すべて 雑誌論文 (14件)
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