イネのジャポニカ種(品種、Nipponbare)のRubisco activaseのcDNAをクローニングし、CabプロモーターにつないたT-DNAベクターを構築した。このT-DNAベクターを、アグロバクテリウム(Agrobacterium tumefaciens)EHA101系統に凍結融解法により導入した。 次にイネ種子(Oryza sativa L.Nipponbare)からカルスを誘導し、上記ベクターを持つアグロバクテリウムを感染させ、ハイグロマイシンによって形質転換個体を選抜した。現在までにベクターコントロール、センス、アンチセンスの形質転換体をそれぞれ十数から数十個体得た。これらについては既にハイグロマイシン耐性遺伝子断片のPCR増幅によって導入遺伝子の存在を確認したが、引き続きゲノミックサザン解析を行い、導入コピー数を確認する予定である。センス遺伝子導入個体の形態約な特徴として、ベクターコントロールや野生型に比較して葉や稈が細かった。 これら形質転換植物の葉のCO_2-光合成曲線から炭酸同化効率を算定するとともに、Rubisco activaseを免疫定量した。センス遺伝子を導入した形質転換体では炭酸同化効率が高濃度のCO_2(1800ppm)条件下ではコントロール個体の最大値を上回った個体もあったが、平均ではコントロール個体に比べて有意に低下していた。また、センス遺伝子導入個体ではRubisco activase含量はコントロール個体群の平均の7%程度にまで減少していた。このことから、Co-suppressionもしくはPost-transcriptional gene silencingといった抑制減少が起こっている可能性が高かった。つまりRubisco acitivaseの過剰発現体の作出には至っていないので、昨年度に単離したO.australiensisのRubisco acitivaseと思われるcDNAか、ホウレンソウ等の多種のRubisco acitivaseを利用することを検討中である。
|