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2005 年度 実績報告書

水田雑草コナギのスルフォニルウレア系除草剤抵抗性生物型の生態・遺伝的特性

研究課題

研究課題/領域番号 15580015
研究機関京都大学

研究代表者

冨永 達  京都大学, 農学研究科, 教授 (10135551)

キーワードコナギ / スルフォニルウレア除草剤 / 除草剤抵抗性生物型 / 水田雑草 / 雑草防除 / 繁殖様式 / 閉鎖花 / アセト乳酸合成酵素
研究概要

スルフォニルウレア系除草剤(SU剤)は日本の水田の60%以上で使用されている。1996年以降、コナギを含めた水田雑草のSU剤に対する抵抗性生物型が日本各地で次々と出現している。コナギはノビエ類と並ぶ水田の主要雑草の一つであるため、コナギのSU剤抵抗性生物型の出現は、SU剤を基本とした水稲の雑草防除体系の根本的な変更をせまるものである。
本研究では、昨年度に引き続き日本国内でのSU剤抵抗性コナギの出現状況を調査した。今年度は新たに滋賀県及び山口県でSU剤抵抗性コナギの出現を確認し、コナギの抵抗性生物型の出現を確認した府県は19となった。
次に、コナギのSU剤抵抗性集団を、SU剤の通常使用濃度から100倍の濃度までの条件下で育成し、根の伸長を測定したところ、根の伸長量の低下パターンが集団によって異なることを見出した。この差異が何に由来するのか、今後の課題である。
また、今年度までに収集したコナギのSU剤抵抗性生物型6集団に感受性4集団を加え、AFLPによる集団内の遺伝的多様性を解析するとともに集団間の類縁関係を推定した。その結果、感受性集団においては集団内に遺伝的多様性が認められたのに対し、抵抗性集団においては集団内の遺伝的多様性がまったく認められないか、あるいは、極めて低いことが明らかになった。また、各抵抗性集団は単系統群を形成しなかった。これらの結果から、供試した抵抗性集団は単一起源ではなく、それぞれ独立に起源したことが強く示唆された。
さらに、コナギの開花特性について、出芽時期ごとにイネの生育に伴う光環境を想定した照度下でコナギを育成し、閉鎖花及び開放花の着生状況を調査したところ、出芽時期が早くより光環境の良い条件下では開放花を、その逆の条件下では閉鎖花をより多くつけることを明らかにした。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Ecological fitness and genetic variation of Monochoria vaginalis biotypes susceptible or resistant to sulfonylurea in Japan2006

    • 著者名/発表者名
      Tominaga, Tohru
    • 雑誌名

      The 20th Asian-Pacific Weed Science Society Conference, Abstract

      ページ: 67

  • [雑誌論文] 雑草も進化する-除草剤抵抗性雑草の話-2006

    • 著者名/発表者名
      冨永達
    • 雑誌名

      京都大学農場報告 15

      ページ: 66-71

  • [雑誌論文] 京都府における水田雑草のスルホニルウレア系除草剤抵抗性生物型の出現状況2006

    • 著者名/発表者名
      大橋善之
    • 雑誌名

      近畿作物・育種研究 51(印刷中)

  • [雑誌論文] コナギの開放花・閉鎖花の生産に光環境および出芽時期が与える影響2006

    • 著者名/発表者名
      今泉智通
    • 雑誌名

      雑草研究 51(別)(印刷中)

  • [図書] 雑草生態学2006

    • 著者名/発表者名
      根本正之
    • 総ページ数
      174
    • 出版者
      朝倉書店
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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