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2005 年度 実績報告書

イネの葉鞘および稈におけるデンプン代謝の分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15580016
研究機関独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構

研究代表者

廣瀬 竜郎  独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 中央農業総合研究センター・北陸地域基盤研究部, 主任研究官 (90355579)

キーワードイネ / 葉鞘 / デンプン / 遺伝子発現 / 代謝
研究概要

イネの葉鞘および稈におけるデンプンの蓄積ならびに分解の分子機構を解明するため、イネ(品種:日本晴)の葉,鞘を用いて以下のような研究を行った。
1.葉鞘において、デンプン合成関連酵素(ADPグルコースピロホスホリラーゼ、デンプン合成酵素、ブランチングエンザイム)の酵素活性はいずれも出穂前のデンプン蓄積期に高いことが明らかになった。この4種類の酵素をコードする遺伝子のうち、ADPグルコースピロホスホリラーゼではAGPL1およびAGPS1、デンプン合成酵素ではSSI、SSIIb、SSIIIbおよびGBSSII、ブランチングエンザイムではBEIIaの各遺伝子が主に発現していた。上記の遺伝子群は葉鞘のほか、未熟葉身などの栄養器官では比較的強く発現しているが、胚乳での発現レベルは低く、胚乳では同じ酵素をコードする他の遺伝子群が強く発現していた。したがって、葉鞘などの栄養器官と胚乳とでは同じ酵素でも異なる遺伝子群が分業して働いていることが明らかになった。
2.プラスチド包膜に存在し、デンプン合成の基質であるグルコース-6-リン酸の輸送を行うGPTをコードする2遺伝子のうち、葉鞘ではGPT2が強く発現しており、その経時変化のパターンはAGPL1のそれと酷似していた。したがって、デンプン合成系酵素群と基質輸送体とが協調的な転写制御を受けていることが推測された。
3.デンプン分解系の酵素のうち、デンプン分解期の葉鞘ではα-アミラーゼ活性の上昇が認められた。しかしながら、この酵素をコードする10種類の遺伝子の発現レベルには、デンプン合成系酵素の遺伝子で認められたような顕著な変動が見られず、葉鞘における同酵素活性の上昇には転写後調節が関与する可能性が考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Expression profiling of genes involved in starch synthesis in sink and source organs of rice2005

    • 著者名/発表者名
      T Ohdan, PB Francisco, T Sawada, T Hirose, T Terao, H Satoh, Y Nakamura
    • 雑誌名

      Journal of Experimental Botany 56

      ページ: 3229-3244

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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