研究概要 |
【目的】 近年、市販・流通している多種多様な微生物資材の製品評価を行うために、微生物資材に含まれる微生物の菌濃度及びフロラの培養によらない解析法について検討した。 【方法】 微生物資材の分散懸濁液の一定量をヌクレポアフィルター上に捕集し、EB蛍光染色法、CFDA蛍光染色法、蛍光染色法、及びFISHに供した。また、PCR-DGGE法により、資材の保存中における細菌群集構造の変化を分析した。 【結果および考察】 生ごみ分解促進・堆肥化促進をうたう16点の資材のうち半数以上は、CFDAによる全生菌数が乾物1g当たり10^8個以下で、10^6台という製品もあった。また一部を除いて生菌率(EB蛍光染色法による全細菌数に対するCFDA蛍光染色法による全生細菌数の比)は40%以下で、5%を切るものもあった。これらは、製造後、菌の著しい死滅があったことを示す。 液体状の微生物製剤の成績はさらに悪く、16点の試料のうち約半数の製品の生菌数が10^7個以下で、2,3の製品を除き生菌率は30%以下であり、1%以下という製品すらあった。 一方、CTC蛍光染色法の基礎的検討を行い、サイバーグリーンとの対比染色により、呼吸活性陽性菌をより正確に測定する条件を見いだし、微生物資材の品質評価に適用可能とした。さらに、FISHによる群集構造解析法の導入により、微生物資材中の細菌フロラの評価が、培養なしに可能となった。PCR-DGGE法により、資材の保存中に細菌群集構造が変化する場合があることを検証した。
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