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2004 年度 実績報告書

植物細胞壁多糖ラムノガラクツロナンIIの金属結合サイトの解明

研究課題

研究課題/領域番号 15580053
研究機関独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構

研究代表者

松永 俊朗  独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 九州沖縄農業研究センター・環境資源研究部, 室長 (20355647)

キーワードラムノガラクツロナンII / 希土類 / サイズ排除HPLC / ICP-MS / 植物細胞壁多糖 / ホウ素
研究概要

1.目的
ラムノガラクツロナンII(RG-II)は、植物細胞壁多糖ペクチンの一部を構成する多糖である。細胞壁中では、2分子のRG-II単量体(mRG-II)が1分子のホウ酸により架橋されdRG-II-B複合体を形成し、細胞壁構造を安定化している。このことが必須微量元素ホウ素の主な機能である。単離されたdRG-II-B複合体には、特定の金属イオンが結合しており、複合体の安定生成に寄与している。しかし、金属イオンの結合サイトについては明らかにされていない。昨年度は、mRG-IIのランタノイド結合サイトは、直鎖と複数の側鎖から形成されていることを示した。今年度は、dRG-II-B中のホウ酸陰イオンの金属結合サイトへの関与を調べた。
2.方法
シュガービートdRG-II-B 2.2mgを40mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5.0)500μLに溶解し、半量をcontrolとし、残り半量に0.1M EuCl_3 5μLを加えEu処理試料とした。試料溶液を5mmφNMR試料管に入れ、^<11>B NMR測定を行った。
3.結果
dRG-II-B中のホウ酸エステル(1:2)に由来するピークは、controlとEu処理のどちらのスペクトルにも、全く同じ-9.6ppmに観測された。また、サイズ排除HPLC/ICP-MS測定により、controlのdRG-II-Bに結合している金属は主にCaであること、およびEu処理によりそのCaがほとんどEuに交換されたことが確認された。この結果から、dRG-II-Bに結合している金属は、ホウ酸陰イオンには直接は配位しておらず、dRG-II-Bの金属結合サイトはホウ酸陰イオンからはある程度以上離れていることが示された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Effects of boron deficiency in cell suspension cultures of Populus alba L.2005

    • 著者名/発表者名
      K.Kakegawa, T.Ishii, T.Matsunaga
    • 雑誌名

      Plant Cell Rep. 23

      ページ: 573-578

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 植物におけるホウ素必須性の機構と進化的起源2005

    • 著者名/発表者名
      松永俊朗, 石井忠
    • 雑誌名

      日本土壌肥料学雑誌 76(印刷中)

  • [雑誌論文] Characterization of metal binding properties of rhamnogalacturonan II from plant cell walls by size-exclusion HPLC/ICP-MS2004

    • 著者名/発表者名
      T.Matsunaga, T.Ishii
    • 雑誌名

      Anal.Sci. 20

      ページ: 1389-1393

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] ホウ素による植物細胞壁構造の安定化2004

    • 著者名/発表者名
      松永俊朗, 石井忠
    • 雑誌名

      植調 38

      ページ: 343-352

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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