• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

納豆菌γ-ポリグルタミン酸の生合成、生分解およびその制御機構の分子生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15580058
研究機関静岡大学

研究代表者

田原 康孝  静岡大学, 農学部, 教授 (30022320)

キーワードBucillus subtilis / 納豆菌 / γ-ポリグルタミン酸 / PGAオペロン / PGA合成酵素 / ywtB / ywtB破壊株 / ywtB復帰株
研究概要

1.ywtB破壊株の生産するPGA 納豆菌野生株(B.subtilis IFO16449)は、PGA合成培地の24時間培養でD-グルタミン酸とL-グルタミン酸の比率が70:30からなるPGAを7mg/ml生産するが、ywtB破壊株は、同培地、同時間培養でほぼ100%のL-グルタミン酸のPGAを0.4mg/ml生産した。野生株は分子量200kDa以上の高分子PGAを生産するが、ywtB破壊株は200kDa以上の高分子PGAと30kDaの低分子PGAを生産した。野生株PGAは、培地中のMn^<2+>イオン濃度の上昇と培養時間の経過によってD-グルタミン酸の比率が高まるが、ywtB破壊株のPGAはこれらの影響をまったく受けず、ほぼ100%のL-グルタミン酸で推移した。
2.ywtB発現ベクターの作製 ywtBのC末端にヒスチジンタグを設計したプライマーを用いてywtBをPCR増幅した。ヒスタグコドンをC末端にもつywtBの増幅断片を一度pUC19に挿入した後、PGAオペロン(ywsC-ywtABC)を保持するpBF1のywtBと交換した。ywtBヒスタグコドンを含むPGAオペロン領域を切り出し、これをpHY300PLKに挿入して、ywtB発現ベクター(pYWTB)を作製した。この発現ベクターをywtB破壊株に形質転換してywtB復帰株(B.subtilis ΔywtB/pYWTB)を構築した。
3.ywtB復帰株の生産するPGA ywtB復帰株は、PGA合成培地の24時間培養でD-グルタミン酸とL-グルタミン酸の比率が80:20からなるPGAを1.5mg/ml生産した。ywtB復帰株のPGAは、野生株のそれと同様に分子量200kDa以上の高分子PGAのみであった。(1)上記で述べたYwsCは、ATPとMn^<2+>イオンの存在下でL-グルタミン酸から高分子PGAを合成するが、D-グルタミン酸からはPGAは合成されない。(2)ywtB破壊株は、ほぼ100%のL-グルタミン酸からなるPGAを生産する。(3)ywtB発現ベクターをもつywtB復帰株は、野生株PGAとほぼ同じD-とL-グルタミン酸の比率のPGAを生産する。これらの結果から、YwtBはPGA合成においてD-グルタミン酸とL-グルタミン酸の取り込みに関与する機能を担っていることが考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Y.Tahara et al.: "Production of γ-L-Polyglutamic Acid by Bacillus subtilis Mutant Defective in ywtB Gene Involved in Polyglutamic Acid Biosynthesis"Biosci.Biotechnol.Biochem.. (発表予定).

  • [文献書誌] Y.Tahara et al.: "Structural Studies on γ-Polyglutamate-Hydrolyzed Product Released by YwtD of Bacillus subtilis"J.Bacteriol.. (発表予定).

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi