研究課題/領域番号 |
15580063
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
和泉 好計 国立大学法人鳥取大学, 工学部, 教授 (40026555)
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研究分担者 |
田之倉 優 国立大学法人東京大学, 大学院・農学生命化学研究科応用生命化学専攻, 教授 (60136786)
大城 隆 国立大学鳥取大学, 工学部, 講師 (00233106)
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キーワード | desulfurization / dibenzothiophene / Rhodococcus erythropolis / desulfinase / DszB / DszC / BdsA |
研究概要 |
石油中の難除去性含硫化合物ジベンゾチオフェン(DBT)は、石油の燃焼の際に亜硫酸ガスを生成し大気中に放出されて酸性雨の原因物質となることから近年特に注目を集めている.したがってDBTおよびその誘導体の微生物代謝、特に脱硫反応機構の解明の研究は極めて重要な課題である。今までに我々が明らかにしてきたDBTの高脱硫活性のRhodococcus属細菌脱硫系の中で最終段階の酵素DszB(デスルフィナーゼ)は脱硫反応を触媒する新規酵素であり、またDszC、Aとカップルするフラビンレダクターゼは脱硫代謝に重要な役割を演ずる酵素である。そこで本研究では高効率脱硫プロセスの構築を目標としてDszBの立体構造解明とそれに基づく活性、安定性および発現量の向上、およびフラビンレダクターゼの特性解明と効率的な脱硫代謝酵素系の構築を目的として、本年度は下記の成果を得た。 (1)平成15年度に行ったDszB結晶酵素のX線構造解析に基づき、活性部位近傍に存在するアミノ酸残基を置換した種々の変異酵素遺伝子を構築し、変異酵素を発現する大腸菌の無細胞抽出液中での活性を測定したところ、Q65をヒスチジンに置換したDszB(Q65H)の熱安定性、至適温度が野生型DszBを上回ることを見出した。 (2)好熱性脱硫細菌Bacillus subtilis WU-S2B由来のDBTスルホンモノオキシゲナーゼ(BdsA)については、田之倉らがX線結晶解析をが進めつつある。基質-酵素複合体の結晶構造解析を行うために、適当な基質アナログを見つけることが重要であることから、BdsAの拮抗阻害剤を検索した結果、9-phenanthrolを酵素反応系に添加したときにBdsA活性が完全に消失することを確認した。さらに9-phenanthrolはフラビンレダクターゼ活性に対する阻害活性を持たないことも確認できた。
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