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2003 年度 実績報告書

乳酸菌由来立体特異的2-ヒドロキシ酸脱水素酵素群の基質認識機構の解明と改変

研究課題

研究課題/領域番号 15580067
研究機関東京理科大学

研究代表者

田口 速男  東京理科大学, 理工学部, 教授 (90188136)

キーワード乳酸菌 / Lactobacillus / 乳酸脱水素酵素 / 基質特異性 / アロステリック酵素 / タンパク質工学
研究概要

L.Pentosus D-LDHのTyr52残基を、同様に疎水的でありながら、その大きさ、形状の異なる、Leu、Val、Alaへ置換した変異型酵素を作成し、その基質特異性を検討した。その結果、この位置の疎水性残基側鎖の大きさが小さくなるほど、酵素はより大きな側鎖をもつ2-ケト酸基質に対して特異的な活性を示すことが明らかになった。すなわち、この結果は52位の側鎖が、作用する基質側鎖の大きさや形状をきめる上で重要な役割を担っていることを示している。一方、同じ残基を極性や電荷の異なるAsn、Thr、Argに置換したところ、測定した全ての基質に対して酵素活性の大幅な低下が見られた。このうち、Argに置換した変異型酵素のみが速度論的解析の可能な活性を示し、その基質特異性を解析したところ、本変異型酵素が極性側鎖をもつ基質、あるいは大きな側鎖に対して比較的高い活性を示すことが明かとなった。この結果は、52位のアミノ酸残基の電荷や極性などの性質が基質側鎖の特性を決める上に重要に関わるとともに、52位の他にも基質認識に関わる部位があることを強く示唆している。本D-LDHには、Tyr52の近傍にPhe299などの残基からなる疎水性クラスターが存在し、これとTyr52間の相互作用が基質特異性を決めていることが推定される。次年度は、この疎水性クラスターの解析に重点をおいて研究を進めたいと考えている。
また、L.caseiのアロステリック型L-LDHにおいて、Q軸サブユニット間にあるAsn68をHisに置換したところ、予想通り基質特異性の変化が認められたが、アロステリック特性にも顕著な変化がみられた。さらに、興味深いことに、Asn68を含めてQ軸間の4アミノ酸残基を、非アロステリック型酵素であるL.pentosusのL-LDHのものと同じアミノ酸に置換すると、本酵素はほぼL.pentosus L-LDHと同様な非アロステリック型酵素へと変換された。一方、本酵素のアロステリック結合部位に化学修飾やアミノ酸置換による改変を加えると、アロステリック特性のみならず、基質特異性にも変化が認められた。以上の結果から、本酵素の希室特異性とアロステリック特性には関連があることが明らかとなり、次年度はこの関連性にも注目して解析を進めていきたいと考えている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 田口速男 他10名: "Conversion of Lactobacillus pentosus D-lactate dehydrogenase to a D-hydroxyisocaproate dehydrogenase through a single amino acid replacement."Journal of Bacteriology. 185・16. 5023-5026 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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