研究課題
基盤研究(C)
タンパク質修飾酵素トランスグルタミナーゼ(TGase)の生理機能を分子レベルで解明するために、組織型TGaseのタンパク質基質と相互作用タンパク質についての解析およびショウジョバエをモデル生物とした機能解析実験を行った。1.酵素反応特異的基質ラベル法で見出された基質候補ベタイン-ホモシステインメチルトランスフェラーゼ(BHMT)が、TGase基質として反応することを、精製した肝BHMTと肝TGaseを用いた実験で確認した。肝BHMTは、TGaseの架橋修飾を受けることにより、活性が減少した。「TGaseによるBHMT制御が、動物の加齢に伴うホモシステイン代謝の変動と関連する」という仮説を、証明するための実験を、標準型および老化促進型のマウスを使用して、行っている。2.相互作用タンパク質の解析は、抗TGaseモノクローナル抗体結合ビーズを用いる免疫アフィニティー法(A法)とSos/Ras伝達系の活性化を利用するCytoTrap two-hybridシステムを用いて行う酵母Two hybrid法(B法)で行っている。A法からは、55kDaのタンパク質が相互作用タンパク質であることを示唆するデータを得ているが、今のところ明確ではない。B法をマウス肝について適用した最初の結果は、各種の酵素タンパク質、プロテアーゼインヒビター、細胞外タンパク質が、相互作用タンパク質の候補者であることを示した。B法をヒト脳についても適用するための準備を進めている。3.ショウジョバエの遺伝子データベースから、1つのTGase遺伝子の存在とそれに基づく2つの転写産物の存在が判明した。TGaseのcDNAを用いて、GAL4-UAS標的発現システムを利用したTGase遺伝子の発生時期・組織特異的な発現増強・抑制実験を行うための、ベクターを構築している。
すべて 2004
すべて 雑誌論文 (2件)
The International Journal of Biochemistry and Cell Biology 36
ページ: 1981-1992
The International Journal of Biochemistry and Cell Biology Vol.36, No.10