1.テロメラーゼ抑制因子群の細胞老化誘導能の評価. テロメラーゼ抑制因子として同定したTGF-β、TAK1及びプロテインキナーゼC-δ(PKC-δ)が、細胞老化誘導能を有することを明らかにした。 2.細胞老化誘導因子のガン抑制能評価 細胞老化誘導因子として同定したTGF-βが、in vivoおよびin vitroにおいてガン細胞に対し、抗腫瘍能を示すことを明らかにし、細胞老化がガン抑制機構として機能しうることを明らかにした。 3.細胞老化系譜依存的遺伝子発現ネットワークの解析 申請者らの同定した細胞老化誘導因子をインプットシグナルとして用いて、細胞老化系譜依存的遺伝子発現ネットワークの解析を行った。クラスタリング解析の結果、細胞老化シグナルと個体老化シグナルの間でネットワークの共通性が認められた。 4.ヒトテロメラーゼ触媒サブユニット遺伝子プロモーターの制御機構の解析 ヒトテロメラーゼ触媒サブユニット(hTERT)遺伝子プロモーターの制御機構の解析を行い、TAK1により誘導されるhTERT抑制の分子機構を明らかにした。 5.テロメア短縮ガン細胞株におけるテロメラーゼ機能不全の分子機構解析 テロメラーゼ発現及び活性を維持していながら、細胞分裂に依存してテロメアを短縮させる細胞株を樹立し、その細胞株におけるテロメア短縮が、hTERTの核外移行により引き起こされているのを明らかにした。 6.マウステロメラーゼ触媒サブユニット遺伝子プロモーターの制御機構の解析 マウステロメラーゼ触媒サブユニット(mTERT)の制御機構の解析を行い、NFAT-5が優勢な転写活性化因子として機能していることを明らかにした。
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