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2003 年度 実績報告書

NMRの新手法の開発―立体化学研究に有用なスピン結合定数の測定法の開発とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 15580089
研究機関東京大学

研究代表者

降旗 一夫  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (20219091)

研究分担者 大久保 明  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (20111479)
田之倉 優  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (60136786)
キーワードHR(High Resolution)-HMBC / HMBC / J-scaling
研究概要

本研究は、複雑な天然有機化合物の構造解析、主として立体構造の解析を行うためのプロトン-炭素間の遠隔スピン結合定数を観測する方法の開発を主目的にし、従来法(HETLOC)とは異なる二つの新しい方法、HR(High Resolution)-HMBC-1,-2を開発した。
HMBC法では、理論的にはF_2軸方向にJ_<HH>やJ_<CH>のスピン結合によるJ-分裂が観測されるはずであるが、実際の測定では、J結合が小さいなどのために、F_2軸方向のJ-分裂クロスピークから直接スピン結合定数を検出することは困難であり、また、F_1軸方向においては、J_<CH>がdecouplingされているため、観測不能である。long-range J_<CH>を観測する新しい方法として、J-scaling法が有効であることを見いだし、この方法をHMBC法に取り入れ、新しくHR-HMBC-1,-2の開発を試みた。この方法は、J-scaling法を巧みに使い、見かけのJ_<CH>を20ないし30倍に拡大させる。その結果、スピン結合定数の大きさが小さすぎて本来観測できないF_1軸方向において、long range J_<CH>の観測が可能となることが判明した。
HR-HMBC法の有効性を検討するために、ポリエーテル化合物portmicinに応用した。その結果、HETLOC法では観測困難なlong range J_<CH>が容易に観測され、その側鎖の置換基の相対立体配置の決定が可能であることが明らかとなった。さらに複雑な化合物であるモナゾマイシンにおいても適応可能であることが判明した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] K.Furihata, et al.: "Improvement of double pulsed field gradient spin-echo ROESY experiments for identification of bound waters"Magn.Reson.Chem.. 41. 955-958 (2003)

  • [文献書誌] S.Chijiwa, K.Furiha, et al.: "Biosynthetic studies of versipelostatin, a novel 17-membered α-tetronic acid involved macrocyclic compound isolated for Steptmyces versipellis"Tetrahedron Lett.. 44. 5897-5900 (2003)

  • [文献書誌] S.Nishimura, K.Furihata, et al.: "Geranylgeranyltransferase Type I Inhibitor from the Marine Sponge Stylissa aff. massa"Organic Letters. 5. 2255-2257 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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