研究課題
1)マウスの耳介に発疹を誘導するα-acaridialマウスの耳介にα-acaridialを週3回、計2週間塗布すると、腫脹と発赤が見られ、炎症が誘導された。炎症部位を含む組織の切片を作成し、免疫染色を行った結果、CD4陽性Tリンパ球が優位に浸潤していることを確認した。通常、CD4陽性Tリンパ球は外来ペプチドを抗原として認識することから、α-acaridialによって修飾された自己タンパク質が異物として認識され、炎症が引き起こされる可能性が考えられた。2)植物の防御反応を誘導する鱗翅目昆虫エリシターvolicitin生合成と代謝食外を受けたトウモロコシやタバコは、幼虫の唾液中に含まれるvolicitin[N-(17S-hydroxylinolenoyl)-L-glutamine]を受容して揮発成分を放出し、天敵である寄生蜂に宿主探索の重要な手掛かりを与える。幼虫自身にとって不利に働くvolicitinの幼虫体内における役割を探るために、ハスモンヨトウにおけるvolicitin生合成メカニズムを放射性同位体でラベルしたグルタミンやリノレン酸を用いて検討した。ラベル体のグルタミンを終齢幼虫に与えた場合は、30分以内にほぼ全量が腸管から体液に吸収されるのに対し、ラベル体リノレン酸を与えた場合は、90分から体液にゆっくりと吸収され始める。興味深いことに、リノレン酸が吸収されると同時に、リノレン酸はvolicitinに取り込まれ始めた。一方、グルタミンは摂食6時間後も、volicitinには取り込まれなかった。以上の結果から、グルタミンは一度血中に取り込まれた後、腸管中のリノレン酸と腸管組織中で縮合され、腸管へ再び分泌されると考えられた。
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