研究課題/領域番号 |
15580091
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
杉本 幸裕 神戸大学, 農学部, 教授 (10243411)
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研究分担者 |
稲永 忍 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 教授 (40124664)
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キーワード | 根寄生雑草 / ストライガ / オロバンキ / 発芽刺激物質 / ストリゴール / 生合成 / コウモリカズラ / 培養根 |
研究概要 |
根寄生雑草は世界各地の半乾燥地域に広く分布し農業に甚大な被害をもたらしているため、有効な防除法の確立が望まれている。根寄生雑草種子は、ストリゴラクトンと総称される化学物質を感受して初めて発芽するという特徴を有している。これまでの研究で、コウモリカズラの根の培養液が、ストリゴラクトンの一つであるストリゴールを生産していることを明らかにした。本研究はこの培養系を用いて、ストリゴールの生合成経路を解明することを目的としている。 ストリゴールは構造の特徴からセスキテルペンと考えられる。テルペン生合成は、メバロン酸を経由する経路と経由しない経路が知られており、前者の阻害剤としてコンパクチンが、後者の阻害剤としてフォスミドマイシンが知られている。それぞれを培養系に投与し、培地の発芽刺激活性を調べた。コンパクチンを投与すると培地の活性は低下したが、コンパクチン自身が発芽阻害作用を有するためストリゴール生産に及ぼす効果を判断することは困難であった。一方、フォスミドマイシンは高濃度で投与しても、培地の活性に影響を及ぼさなかった。このことから、ストリゴールはメバロン酸経路により生合成されることが示唆された。 ^<13>Cトレーサーの取り込みによるストリゴール生合成経路の解析も試みた。まず、詳細なNMRスペクトルの解析を行い、ストリゴールの炭素の帰属を行った。次いで、[1-^<13>C]glucoseを投与しコウモリカズラの根を培養した。培地からストリゴールを精製し^<13>C-NMRを測定したが、有意なシグナルの増強は認められなかった。
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