研究課題/領域番号 |
15580096
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研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
石嶌 純男 京都府立大学, 農学研究科, 助教授 (70184520)
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研究分担者 |
大西 正健 京都府立大学, 農学研究科, 教授 (90026576)
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キーワード | マグネシウムイオン / 膜輸送タンパク質 / ATPase / 葉緑体 / 界面活性剤 / ATPアガロース / シロイヌナズナ |
研究概要 |
1 植物葉緑体のATPaseならびにATP結合タンパク質 ホウレンソウ葉緑体膜のATPaseを界面活性剤で可溶化し、その性質をしらべた。チラコイド膜、包膜のATPaseの可溶化には、それぞれ、オクチルグルコシド、タウロコール酸が最も適していた。どちらのATPaseも、pH7.5付近に至適pHをもっていた。また、いずれのATPaseも活性にMgを必要としたが、基質としてMg・ATPを必要とするものの、Mgイオンそのものは、阻害的に作用した。したがって、チラコイド膜、包膜いずれからも、Mg依存性ATPaseを得ることはできず、Mg輸送タンパク質を精製するためには、他のアプローチが必要である。 そこで、ホウレンソウ葉緑体膜のATPaseを界面活性剤で可溶化し、ATPアガロースに吸着させた。可溶化にはTriton X-100が最も有効であった。約10種類のタンパク質がATPアガロースゲルに吸着した。ATPの添加により、ATPアガロースゲルへの吸着が阻害され、また、ATPアガロースゲルから吸着したタンパク質が溶出した。 2 植物Mg輸送タンパク質recombinant protein 微生物Mg輸送タンパク質と相同性の高いシロイヌナズナ由来タンパク質のcDNAをプラスミドpBAD-His tag vectorに組込み、大腸菌TOP10を形質転換し、目的タンパク質を発現させた。この菌は27℃、13.3μMアラビノース、12時間の培養で最大の発現をウエスタンブロットで確認した。菌体の破砕・可溶化の段階では目的タンパク質の大部分は不溶性画分に回収された。この目的タンパク質を発現させた菌の生育は培地のMg濃度に依存したものの、菌体レベルでの本タンパク質の機能的解析は困難であった。そこで、不溶性画分を尿素で可溶化して、ニッケルアフィニティカラム、ゲルろ過などにより精製を行なった。
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