研究概要 |
従来活性酸素消去食品として知られているお茶類に着目し、活性酸素消去発光の有用性について検討した。お茶類は製造法(発酵茶、班発酵茶、無発酵茶)により顕著な発光強度の差がみられ、その発光強度が従来の方法を用いた活性酸素(O_2,DPPH ラジカル,H_2O_2)消去能と一致した。これら結果は国際学会発表ならびに論文として投稿し、活性酸素消去発光検出の有用性とその応用性について高い評価を得ている。特に視覚的に活性酸素消去能を捕えるCCDカメラによるフォトン検出は、専門外の研究者ならびに一般にも容易に食品の活性酸素消去能が判断できることから食品加工工程の検査技術の一つとしてその応用性が注目されている。また、食品の活性酸素消去能を数値評価する段階で、従来のXYZの3因子による活性酸素消去発光を増幅させる因子(E因子)を見いだし、この第4因子(E因子)として微量金属元素が該当することを明らかにした。XYZ系にE因子を加えることで基本形の発光波長は630nmから530nmとなる。反応系のエネルギー計算からE因子の付加はより高いエネルギー放出を行うことで活性酸素をより早く消去すると推定された。疾病者として現代病の一つであるアレルギーに着目し、血清の活性酸素消去発光分析を行った。発光検出(Y発光ならびにZ発光)でアレルギーと健常者との比較を行った結果、Y発光強度の分布に違いが見られた。発光分析結果の差を明確にするため、これら結果にSOD様活性を付加した3D解析を行った結果、YおよびZ発光強度差がより顕著となり、Y, Z発光-SODの3D分析が健常者とアレルギー疾患のバイオマーカーとなりうることがわかった。
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