研究概要 |
研究課題の「糖転移酵素によるアントシアニンの配糖化」を行うために,平成15年度はシアニジン3-グルコシド(C3G)を含有材料から必要量単離・調製した。また各種糖転移酵素の調製および入手を行った。 (1)C3Gの単離・調製 紫トウモロコシ色素(三栄源エフ・エフ・アイ(株))粉末を5%酢酸に溶解し,XAD-2000カラムに通し吸着した。これに1%酢酸を通して洗浄後,1%酢酸-70%エタノールで溶出した。色素溶出液は35℃以下で減圧濃縮乾固した。乾固物を溶媒(0.5%トリフルオロ酢酸-50%エタノール)に溶解しポリクラールATカラムにかけて展開し、C3Gの豊富な画分を得た。その乾固物を15%酢酸に溶解し,大量分取ODS-HPLCシステムを用いで単離および大量調製を行った。C3G画分を減圧濃縮乾固後,トリフルオロ酢酸と過剰のエーテルを用いて色素を沈殿させた。遠心分離後,エーテルを加えて再度洗浄した後,色素沈殿を一夜シリカゲル-デシケーター中で減圧乾燥した。同様の操作を繰り返し約1gのC3Gのトリフルオロ酢酸塩を得た。 フォトダイオードアレイ検出器-HPLC分析,分光光度計測定およびTOF-ESI-MSによる分子量測定を行った結果,純度の高いC3Gであることが判明した。 (2)各種糖転移酵素め調製および入手 微生物および植物由来の各種糖転移酵素(サイクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ(QGTase),グルコシルトランスフェラーゼ,α-およびβ-グルコシダーゼ,β-ガラクトシダーゼ,β-キシロシダーゼ,βフラクトフラノシダーゼなど)の調製(培養,抽出および各種クロマトグラフィーによる精製)および入手を行った。
|