研究概要 |
(1)最適配糖化条件の検討 市販紫トウモロコシ色素から調製した半精製色素(CP)および精製シアニジン3-グルコシド(C3G)を用い,各種糖関連酵素による配糖化(配糖化C3G(Gly-C3G)の合成)のための最適条件を,小スケールで主にHPLCを用いて評価・検討した。用いた14酵素のうち,良好な配糖化反応性を示したサイクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ(CGTase)類のコンチザイムを配糖化の最適酵素として選んだ。また最適糖基質はα-シクロデキストリンを含むデキシパールK-100(K-100)を選んだ。この組み合わせで最適配糖化条件検討の結果,最適pHは4,温度は40℃,反応時間は3時間,最適糖基質濃度は50〜100g/100mLであった。また,CP濃度は高いほど反応が進んだが,溶解性の問題から,最適色素濃度を1g/100mLとした。 (2)大スケールでの配糖化反応と生成色素 紫トウモロコシ色素の大量配糖化は最適反応条件をスケールアップ(CPを0.1g,K-100を10g,コンチザイムを10mL,40℃,3時間)して行った。反応液をXAD-2000カラムで分離・精製した。得られた溶出画分のうちGly-C3G類の見られた3画分を,さらに分取HPLCにかけ,精製した。得られたGly-C3G色素G1,G2,G3は,いずれもHPLC-DADを用いたUV-Visスペクトルパターンより,いずれも3-位配糖化C3Gであった。また。それぞれESI/TOFMSで,m/z611,773,935であり,これはC3Gへそれぞれ1,2,3分子のグルコースが結合した配糖体(G1:C3G-G,G2:C3G-GG,G3:C3G-GGG)と考えられた。現在さらにG1,G2,G3の構造を検討中である。
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