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2003 年度 実績報告書

動物による精子散布と針葉樹人工林への広葉樹の侵入

研究課題

研究課題/領域番号 15580128
研究機関鹿児島大学

研究代表者

曽根 晃一  鹿児島大学, 農学部, 教授 (60264454)

キーワード種子食性鳥類 / 果実食性鳥類 / 種子食性ほ乳類 / 動物散布種子 / 自然落下種子 / 赤外線センサーカメラ
研究概要

1.広葉樹林と広葉樹林とそれに隣接するスギ人工林内での種子落下状況
両林分あわせて、鳥散布型の36種、重力散布型の5種、風散布型の7種の計48種類の木本種子が回収された。鳥散布型の種子では、自然落下種子の分布は広葉樹林内に限られていたのに対し、鳥散布種子は広葉樹林内に広く落下するものもあり、針葉樹人工林への種子散布の実態が明らかになった。重力散布型の種子の落下は、広葉樹林内とその周辺に限られていた。
2.烏類および種子食性ほ乳類相
調査地内では、春季に13種、秋季に14種の果実食性鳥類が確認された。そのうちヒヨドリと山雀の出現頻度が高く、種子散布に重要であると考えられた。また、調査地内ではアカネズミとヒメネズミが捕獲された。アカネズミの捕獲頻度はヒメネズミに比べ著しく高く、針葉樹と広葉樹にまたがる行動圏を持つ個体もあった。
3.広葉樹の稚樹のスギ人工林内での生育状況
スギ人工林内には52種3641本の稚樹が出現し、広葉樹林の林冠を形成しているシロダモ、マテバシイ、タブノキ、ヤブニッケイなどの個体数が多かった。シロダモとマテバシイはスギ林内の至るところで見られたが、ヤブニッケイの分布は広葉樹林との境界に限られていた。前者の樹高分布は緩やかなL字型であったが、後者は極端なL字型を示した。
4.針葉樹人工林への広葉樹の侵入に果たす動物による種子散布の役割
種子食性鳥類は鳥散布型種子をスギ人工林内へ多数運び込んでおり、これらの広葉樹の針葉樹人工林への侵入に重要な役割を果たしていることが明らかになった。また、重力落下型の種子を生産する樹種にとっては、種子食性ほ乳類による種子落下後の二次分散が重要であることが明らかになった。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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