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2003 年度 実績報告書

バインダーレスボードの開発

研究課題

研究課題/領域番号 15580142
研究機関東京大学

研究代表者

佐藤 雅俊  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (90302588)

キーワードバインダーレスボード / バイオマス / 製造条件 / 性能評価 / 自己接着機構
研究概要

バインダーレスボードに適用可能な廃棄バイオマス、特に建築解体から排出される廃木材関連のバイオマス量とその用途、さらに熱帯林におけるバイオマス量等に関する調査を実施した。その結果、これら資源のボード等への原料として利用が可能であることが看取された。
また、放棄バイオマス資源の一つであるケナフ心材部の有効利用の一つとして、バインダーレスボードの開発について検討し、製造条件、特に圧締温度が高いほど耐水性が向上し、最適条件下では、ユリア・メラミン共縮合樹脂接着剤と同等かそれ以上の性能を有することが認められ、バインダーレスボードが耐水性に劣るという概念を覆す結果となった。
さらに、ケナフコアボード及び廃木材を用いたバインダーレスボードの自己接着機構に関する検討を、化学的手法と物理的手法を用いて実施した。化学的分析結果から、自己接着には、ヘミセルロースが加水分解を受けて生成する糖類さらに、それらから生成するフルフラールなどが関与すると言われていたが、研究結果から、熱によるリグニンの軟化及びリグニンの縮合型構造の形成が確認された。また、カルボン酸類によるエステル結合の生成の可能性も示唆され、このような変化を生ずる要因は、製造時における圧締温度であり、適切な温度条件下において自己接着機構が発現していることが推測された。一方、廃木材を爆砕処理したパルプ等の化学分析あるいは走査型電子顕微鏡を用いた分析からは、爆砕によりパルプ表面に析出し遊離したリグニンが自己接着に関与していることが明らかとなり、この結果からも上述したリグニンの関与が看取された。今後、自己接着機構に関しては、製造条件との関連をより明確にし、適切な製造条件を提案する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] N OKUDA, M.SATO: "Manufacture and mechanical properties of binderless boards from Kenaf core"Journal of World Science. Vol.50, No.1. 53-61 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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