バインダーレスボードに適用可能な植物バイオマスに関連し、ベトナムのメコンデルタ地域において、植林が実施されているメラルーカ材のバイオマス量等に関する調査を実施し、この資源がバインダーレスボードへ適用可能であるとともに、他の木質系ボードの原料として利用が可能であることが認められた。特に、樹皮の有効利用に関してバインダーレスボードの製造技術が適用可能であることが認められた。 一方、放棄バイオマス資源の一つであるケナフ心材部の有効利用の一つとして、バインダーレスボードの開発について検討し、製造条件の中でも、圧締温度が高いほど耐水性が向上し、最適条件下では、ユリア・メラミン共縮合樹脂接着剤と同等かそれ以上の性能を有することが認められたことから、3種類の温度条件で製造した試験体について暴露試験(9ヶ月経過)及び促進試験を実施し、接着耐久性等に関する性能を調べた結果、バインダーレスボードが耐久性に劣るという従前の概念を覆す結果となった。また、暴露されたケナフコアボードを用いたバインダーレスボードの自己接着機構に関する検討を化学的手法を用いて実施し、リグニンの接着耐久性への関与が看取された。 さらに、竹材を用いたバインダーレスボードに関する研究を開始した。ここでは、竹材の特徴である裂ける性質を利用し、竹材をゼファーシート状、粉末状あるいはチップ状に加工した後にボード製造を行い、原材料の形状よるボードの性能について検討した。原材料の形状の違いによってその性能は異なるが、いずれの場合においてもバインダーレスボードの製造が可能であることが認められた。
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