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2003 年度 実績報告書

大型甲殻類の方向感覚と時空感覚に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15580162
研究機関三重大学

研究代表者

小池 隆  三重大学, 生物資源学部, 教授 (60093126)

キーワード海中光 / 方向感覚 / 時空感覚 / 対光行動 / イセエビ / ワタリガニ類
研究概要

イセエビが光の照射方向を認識するか、新たに購入した直径3mの円形水槽を使って行動学的方法で実験した。水面に対し仰角15度で直接光を照射し、その直接光の水平方向の向きを種々変えた場合や、間接光のみで直接光が水面へ到達しない場合についてイセエビの反応を調べた。光の状態は、水槽底面における下方向照度および直接光に向かった鉛直面照度あるいは巣穴内側の鉛直面照度を測定した。イセエビの反応は、直接光の照射向きと底面に設置した巣穴の入口の向きを種々設定しイセエビが入巣した位置を調べて解析した。イセエビは直接光に背を向けた状態や直接光に頭を向けた状態となるいずれの巣穴も利用した。イセエビの巣穴選択は巣外側における光の強さや光の向きよりむしろ巣穴内側の鉛直面照度を優先し外から中をのぞき見て中が暗い巣であった。この場合には巣穴入口外側の下方向照度が高く直接光が巣穴正面より射し込む状態でも、頭を直接光に向けて入巣した。間接光では巣の位置による巣穴選択の偏りは消失した。
イセエビが生息する外洋に面した志摩半島沖とワタリガニ類が多い伊勢湾・三河湾の内湾域における海中の光学構造を本学練習船「勢水丸」で観測した。海中へ透過した光の波長分布を相対照度で示すと、内湾では波長565nmが最も多く外洋では波長490nmであった。各観測点ごとに、両波長の比(490nm/565nm)を求めると伊勢湾口の内湾側では1未満となり、湾口を越えた外洋側では1以上の値となった。内湾域と外洋域における海中の光学的な相違がこの比によって明確することが出来た。大型甲殼類が生息域を決定する際に、このような海中の光学的な特徴を利用している可能性が推察された。
イセエビの行動生態を解明する一環として「イセエビの摂餌活動の周年変化」を日水誌,2003へ報告した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 小池隆: "イセエビの摂餌活動の周年変化"日水誌. 69・4. 568-574 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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