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2003 年度 実績報告書

硫酸還元細菌の遺伝子マーカーによる迅速定量・活性評価法の開発と利用

研究課題

研究課題/領域番号 15580170
研究機関福井県立大学

研究代表者

近藤 竜二  福井県立大学, 生物資源学部, 講師 (30244528)

キーワード硫酸還元細菌 / 亜硫酸還元酵素 / 定量的競合PCR / 堆積物 / 密度成層湖 / 硫酸還元活性
研究概要

機能遺伝子を用いた硫酸還元細菌(SRB)の検出と活性評価法の開発のため,異化的硫酸還元過程の最終段階で働く亜硫酸還元酵素をコードしている遺伝子(dsr)の解析を行った。データベースに登録されている塩基配列をもとにPCRプライマーを作成した。SRBの19種27株からDNAを抽出し,作成したプライマーを用いてPCRを行ったところ,全ての株で予想された長さのPCR産物が得られた。数種の非SRBからはPCR産物の増幅は認められなかった。さらに,河口堆積物および密度成層湖水から抽出したDNAを鋳型にPCRを行い,PCR産物のクローンの塩基配列を決定したところ,全てのクローがdsrであった。これらの結果から,作成したプライマーはSRBのdsrに特異的であることが確認できた。次に,このプライマーを用いた定量的PCR法によるSRBの計数方法の検討を行った。目的とするPCR産物の長さより約20%短い競合DNAを作成した。段階希釈した既知量の競合DNAをPCR反応液に加えて行う競合PCRによってSRB数を推定する方法の開発に成功した。堆積物に既知量のSRB細胞を添加してDNAを抽出し,競合PCRでSRB細菌数を計数したところ,添加したSRB細胞数と競合PCRで検出される細胞数には比例関係が認められた。水試料については,孔径0.2μmのフィルターに細菌を捕集し,堆積物試料と同様にDNAを抽出した。段階的に希釈したSRB細胞をフィルター上に捕集してDNAを抽出し,競合PCRによって細菌数を計数した結果,捕集した細菌数と検出された細菌数に直線関係が認められた。有機物汚濁の進行した湖沼,河口域の堆積物中あるいは水中のSRBを計数したところ,従来の培養計数法で計数されるSRB数よりも数桁高い計数値が得られた。以上の結果から,今回開発した競合PCR法は環境中のSRBを計数する方法として非常に優れていると考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Ryuji Kondo, David B.Nedwell, Kevin J.Purdy, Silvana De Queroz Silva: "Detection and enumeration of sulphate-reducing bacteria in estuarine sediments by competitive PCR"Geomicrobiology Journal. 21・3. (2004)

  • [文献書誌] 近藤竜二 他: "地球環境調査計測事典第3巻沿岸域編"フジ・テクノシステム. 1297 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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