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2005 年度 実績報告書

ストレス蛋白質転写因子を用いた海産魚の健苗育成法

研究課題

研究課題/領域番号 15580174
研究機関近畿大学

研究代表者

石橋 泰典  近畿大学, 農学部, 助教授 (90247966)

キーワード環境ストレス耐性 / ストレスタンパク質転写因子 / 仔稚魚 / 建苗性 / 海産魚 / コルチゾル / グルココルチコイドレセプター / ストレスタンパク質
研究概要

平成17年度は,ストレスタンパク質転写因子(HSF)やグルココルチコイドレセプター(GR)が高ストレス耐性魚を選抜する指標として利用できるかどうかを検討するため,マダイを用いて高水温ストレス耐性と各種ストレス指標との関係を調べた。まず,数百尾のマダイ稚魚に高水温ストレスを負荷して異常遊泳を示すまでの時間を測定し,高耐性魚と低耐性魚を選出して,一部の魚を分析に供した。その結果,高耐性魚と低耐性魚の異常遊泳を示すまでの時間に著しい差が確認された。また,コルチゾル含量,HSFおよびGR発現率を測定した結果,高耐性魚の各種ストレス指標は低耐性魚のそれよりも高くなる傾向が示された。次に,ストレス耐性別に選出した魚をそれぞれ一週間飼育し,同様の高水温ストレス耐性を調べた。その結果,高耐性魚の異常遊泳,横転および死亡までの時間は低耐性魚のそれよりもそれぞれ長くなる傾向を示し,高水温ストレス耐性の違いが少なくとも一週問は保持されること,HSFおよびGR発現率が,選抜の際のストレス指標として利用できる可能性が示唆された。
一方,これまでの研究で,マダイ,ヒラメ,トラフグなどの様々な海産魚の低酸素耐性が変態期に低下して,稚魚期に増大することが示され,その原因の一つとして,変態期には代謝量やエネルギー代謝が高まること,稚魚期にはコルチゾル-ストレス反応やそれに伴う嫌気代謝が顕著になること等がそれぞれ示唆された。平成17年度にヒラメにおけるGR発現率の発育変化についても調べた結果,稚魚期には高くなる傾向が示され,これまでに明らかとなった低酸素等のストレス耐性の変化やコルチゾルの分泌などに関与する可能性が示唆された。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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