研究概要 |
食品の安全性とその確保対策についての消費者の知識と態度,そして食品購入行動の因果関係を,牛肉を事例として実証的に研究するために,分析モデルの構築を行った.具体的には,国内および米国でのBSE発生とその対応策に関する情報,肉用牛飼養における抗生物質や遺伝子組み換え飼料,ポストハーベスト農薬使用飼料投与に関する情報,食品全般の安全性に関わる情報への認知度および意識の背後に潜在する消費者の主観的知識と態度を探る心理学的モデルを構築するとともに,選択実験において原産国と生産履歴情報,価格の水準が異なる複数の牛肉間における消費者の選択結果を潜在態度と価格,世帯属性変数で説明する条件付きロジットモデルを構築した. 以上の分析モデルを適用するためのデータは,札幌市在住の一般消費者を対象に郵送アンケート調査を実施して収集することにしたが,2003年末の米国でのBSE発生に伴う米国産牛肉の輸入停止措置,ならびに,2004年に入って国内で発生した高病原性鳥インフルエンザのために,アンケート実施時期が2004年3月に大幅にずれ込んでしまい,現在,アンケート回答データを回収中である. そのため,本年度に構築したモデルの計測とその検討をふまえた,牛肉に関わる安全性問題のリスク・コミュニケーションのあり方の提言については,次年度に継続して取り組むこととした.
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