本年度は、農村・都市の女性起業に関連する文献・資料の検索・収集を、国立国会図書館、農林水産省図書館、東京大学図書館、早稲由大学図書館等を利用して行った。海外の情報収集にあたってはインターネットも活用した。 収集した資料の整理・分析を行い、女性起業の近年の動向を把握した。その際、女性起業の組織形態に着目し、任意組織、協同組合(農事組合法人、企業組合等)、営利法人(株式会社、有限会社等)、非営利法人(NPO法人)の事例を地域特性をふまえながら類型化を行った。 上記の手順で収集した資料をもとに実地調査対象の経営体を(1)農業地域類型別、(2)組織形態別に複数選択し、当該経営体が置かれている地域調査を実施した。今年度は、中山間地域における任意組織の女性起業事例として、福島県熱塩加納村、飯館村における女性起業調査を行い、また、都市地域における法人組織の女性起業事例として、神戸市における女性起業調査を行った。 また、郡市の女性起業に関しては、WAN(WOMEN AGRICULTURE NETWORK)をはじめとする民間団体を通じて情報を収集し、農村女性起業との比較研究の視点を析出した。さらに、EU・米国の農業・農村地域政策の専門家より、農村地域政策における女性のエンパワーメントに向けた支援施策について専門的知識の提供を受け、実態調査に向けた対象・視点・分析方法を学び、日欧米比較研究に向けた準備を行った。
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