研究概要 |
1.既存の食生活・食料消費、食生活スタイルなどに関連する文献、統計資料、調査研究報告書を収集、整理するとともに、食生活・食料消費の将来動向・変化の予測分析に必要な統計資料の収集・整理、さらに分析データの整理とデータベース化を行った。 2,食生活・食料消費の計量的分析に関する文献を収集するとともに、本研究で必要とされるわが国の食生活・食料消費をシミュレートするプロトタイプ型計量経済モデルの構築を試みた。さらに、『食料需給表』、『家計調査』などのデータを用いて、計量経済モデルの推定作業を行い、統計的検証作業を実施した。計量経済モデルは、米、小麦、野菜、果実、肉類、鶏卵などの個別食料レベルでそれぞれの消費量を規定する社会経済要因を説明変数として採用した重回帰分析によってパラメータの推定作業を行った。その結果、食生活成熟化が進展し、長期的不況下にある近年においては経済的要因の影響の極めて小さいことが明らかとなった。 3.わが国の食生活・食料消費の将来動向に大きな影響を及ぼす社会経済変動を取り上げ、それら変動と食生活・食料消費の関係を科学的に解明した。まず、経済成長及び消費生活の変化と食生活では、戦後における経済発展と食生活変化の関係が主に経済学的観点から明らかになった。ついで、高齢社会への移行と食生活では、加齢と食生活の関係を種々のデータにより明らかにした。そして第3次産業化と食生活、家族構造の変化と食生活、女性の社会進出と食生活、そして社会経済のソフト化・サービス化と食生活などでは主に『国勢調査』、『家計調査』、『全国消費実態調査』の関連データを用いてその関係を明らかにした。
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