生産費調査と各自治体と地域の生産・飼養標準等の資料をもとに、生産過程における資材種類と量を特定した。15年度は水稲・麦作等耕種作と園芸・果樹作を主に、連関表からの推計モデルを検討し作成した。 県別・作目別の収支データ・利益係数・技術係数のデータとその積算基礎の利用によって、利用資材の種類と量の把握が可能になった。廃棄物量と廃棄率・回収量は、標本調査やいくつかの典型事例の調査によって推計に必要な数値を得た。これらの諸材料の総生産量は、諸官庁の統計資料で確定でき、加えて農協等をとおしての利用量も確定できる。この生産-廃棄物量と回収量との連関推計結果の精度を確認した。 推計に用いるデータベースの一部ができたが、従来の産業連関表の理論的な枠組みの一つである「1要素投入-1生産物」は、廃棄物連関表での「1要素投入-多生産物(生産物と諸廃棄物)」の実態を分析できないために、モデル構築での課題が残る。また、廃棄物から生産過程を「逆推計」することにも限界がある。推計可能なモデルの検討と構築を進めている。 15年度は、いくつかの集落営農組織内での生産財から生産物、それらから排出される廃棄物等の実態について、特に稲作について検討できた。 農産物流通段階での廃棄物量の推計は課題や問題点が多く、これまでの調査・アンケート結果は共通の意図と標本設計のもとに実施されたわけではないから、それぞれの調査同士の関連性と相違を明らかにする作業が残されている。既存調査の調査項目を精査し、外食産業の各部門別の取扱量や売上高等からの連関推計が可能となるように既存の資料の整理を進めている。
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