研究概要 |
1.Selenomonas ruminantiumの硝酸還元酵素を精製した後、その遺伝子をシークエンスし、また転写を左右する要因についても調べた。 2.ルーメン内のS.ruminantiumの総菌数のうち、硝酸・亜硝酸還元能をもつ株の菌数は10%程度と少なかったので、このような菌株の増殖を促進する必要がある。亜硝酸の蓄積を抑制するためには、繊維消化を増強することが重要であることが示唆された。 3.亜硝酸還元能の高い菌としてClostridium属と推定される菌を分離し、ルーメン微生物培養系に添加したところ、亜硝酸還元速度が増加し、メタン生成が抑制された。 4.亜硝酸還元能の高い菌としてWollinella succinogenesをルーメン微生物培養系に添加したところ、亜硝酸還元速度が増加し、メタン生成も抑制された。また、硝酸とフマル酸の添加により、更に効果が大きくなった。 5.ルーメン微生物混合系で、エタノールの添加によって硝酸・亜硝酸還元反応が促進された。 6.亜硝酸還元能をもつ消化管細菌として、Streptococcus bovisの菌株を分離した。また、その菌の発酵・増殖の制御機構としてglobal catabolite control protein A(CcpA)およびfructose-1,6-bisphosphateの重要性、それに増殖制御機構としてLuxS autoinducer 2の存在が示された。
|