研究課題/領域番号 |
15580259
|
研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
竹内 崇 国立大学法人鳥取大学, 農学部, 助手 (20216849)
|
研究分担者 |
原田 悦守 国立大学法人鳥取大学, 農学部, 教授 (90001536)
|
キーワード | ラクトフェリン / 抗ストレス / 新生子 / 超音波発声 / 探索行動 / 分離不安 / オピオイド / 一酸化窒素 |
研究概要 |
【母子隔離条件によるストレス応答の違い】 生後早期のラットに対する種々の暴露時間、並びにその期間によるMaternal Separation (MS)ストレスが発育期の行動にもたらす影響、MSストレスの母親への影響、bLF投与の効果、並びにMSによる行動・脳機能変化の性差を明らかにする目的で、体重測定、行動試験(プラスメイズ試験、オープンフィールド試験)を行い、以下の結果を得た。 1.時間や期間が比較的短い新生子期MSストレスでは、発育期のストレス抵抗性が増加し、時間や期間の長いMSストレスでは発育期の不安関連行動が増加することが示唆された。 2.2〜10齢における1日3時間の半数隔離でのみ、離乳後の体重増加が著しかったことから、ある強度のMSストレスは離乳後の摂食行動に大きく影響する可能性が考えられた。 3.同腹子の半数を隔離した場合、隔離動物と非隔離動物に明らかな違いが認められなかったのに対し、同腹子全てを隔離すると発育期における不安関連行動や脳機能に著明な変化が認められた。このことから、MSストレスの新生子への影響は、隔離の直接的な影響よりも、母親を介した間接的影響が大きいことが示唆された。 4.MSストレスによる発育期不安関連行動は、新生子へのbLF投与では軽減されなかったが、母親への投与で顕著に軽減された。したがって母親へのbLF投与により、MSストレスの母親を介した間接的影響が軽減され、発育期の行動が改善されたと考えられる。 5.ストレス抵抗性の増加は雌で多く認められたことから、新生子期における比較的軽いストレスによるストレス抵抗性の獲得には性差があり、雄よりも雌でより獲得しやすいと考えられた。
|