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2004 年度 実績報告書

間葉系幹細胞の分化メカニズムと病変形成に係わる機能的役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15580262
研究機関大阪府立大学

研究代表者

小谷 猛夫  大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 教授 (00081589)

研究分担者 山手 丈至  大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助教授 (50150115)
杉浦 喜久弥  大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助教授 (30171143)
桑村 充  大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 講師 (20244668)
熊谷 大二郎  大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助手 (70316016)
キーワード間葉系分化 / 多分化能幹細胞 / 子宮内膜肉腫 / TGF-β1 / 筋線維芽細胞 / 樹状細胞 / 再生医学 / 免疫組織化学染色
研究概要

ラットに自然発生した腫瘍から間葉系細胞株を確立し、それらの特性を間葉系細胞の発生・分化の観点から解析するとともに、多分化能幹細胞株を用いて間葉系の分化メカニズムとその分化規定因子を明らかにすることを研究目的とする。さらに、これら細胞株を用いて間葉系細胞の病態生理学的な役割を追求することで、種々の病変形成における間葉系細胞の機能的役割を明らかにする。本年度は、子宮原発の内膜間質肉腫から確立した間葉系細胞株の特性解析を行った。
F344ラットの子宮に自然発生した子宮内膜間質肉腫から移植腫瘍(RY)と培養細胞株(RY-PB)の確立に成功し、さらにRY-PBから限界希釈法によりクローン細胞株(RY-B-E3)を誘導した。原発腫瘍とRYは、卵円形から紡錐形細胞が束状に配列し、vimentin抗体に対し陽性となり間葉系細胞の特徴を示した。さらにED1、ED2に対する陽性細胞が散見されマクロファージ系の特性を有するとともに、OX6(ラットMHCクラスII認識抗体)陽性細胞が混在していた。RY-PBとRY-B-E3においては、これら抗体に陽性であるとともに、さらにα-平滑筋アクチン(SMA)陽性細胞が出現し、電顕的に細胞質にtubulovesicular system (TB)様の構造が存在した。RY-B-E3にTGF-β1を添加するとSMA陽性の筋線維芽細胞様の免疫表現型が用量相関性に増加し、抗TGF-β抗体によりその表現型が抑制された。これらの成績より、子宮内膜間質肉腫は、未分化間葉系細胞に起源があり、樹状細胞様(ED1/ED2/OX6陽性、TB様構造の形成)と筋線維芽細胞様(SMA陽性)の方向に分化する潜在能力を有することを明らかにした。また、筋線維芽細胞への分化にはTGF-β1が係わることが分かった。
この研究は再生医学における間葉系細胞の分化機序の解明に資するものである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Tumor lines from a spontaneous rat endometrial stromal sarcoma, showing dendritic cell- and myofibroblastic cell-like phenotypes.2004

    • 著者名/発表者名
      Yamate J et al.
    • 雑誌名

      J Comp Pathol 131

      ページ: 38-51

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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