研究概要 |
1.ヒト,マウスおよびラットにおいて保存されている配列を利用してKCL共輸送体遺伝子SLC12A4のエキソン16〜17および20-23,アミノ酸透過酵素SLC7A10のエキソン10〜11ならびに,同SLC7A9のエキソン3〜4を増幅するプライマーを作成した.これらを用いて,ウマの真核DNAをテンプレートしてPCR増幅産物を得,その塩基配列をダイレクトシークェンスにより解読した.得られた塩基配列のエキソン部分は,それぞれヒトSLC12A4,SLC7A10およびSLC7A9の相同領域と極めて高い類似性を示した.さらにSLC12A遺伝子ファミリーあるいはSLC7A遺伝子ファミリーとの類似性を樹形図により確認したところ,それぞれSLC12A4,SLC7A10およびSLC7A9と一つのクラスターを形成した.以上より,我々が同定し塩基配列がウマSLC12A, SLC7A10およびSLC7A9の相同遺伝子であることが明確となった.2.相同遺伝子断片であることが確認されたPCR産物について来歴の異なる30頭のサラブレッドについて塩基配列を精査したところ,いずれも1ヶ所ずつのSNPが検出された.このうちSLC7A10に認められたSNPと赤血球膜脆弱性との間に有意な相関が認められた.3.プライマーを用いてフランスINRA, Laboratoire de Genetique, Biochemique and Cytogenetiqueが維持管理しているウマゲノムのbacterial artificial chromosome(BAC)ライブラリーの中から,SLC12A4およびSLC7A10陽性クローンを選択した.
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