研究概要 |
1.遺伝子断片の単離解析(半澤,吉田,原) 昨年はK,Cl共輸送体遺伝子SLC12A4,アミノ酸透過酵素SLC7A10およびSLC7A9の遺伝子を同定した.そこで本年はSLC7A10と共発現するとされるSLC3A2,ならびにヒトでSLC12A4の近傍に座位するSLC7A6の同定を試みた.その結果,SLC3A2の遺伝子断片を同定することに成功した.しかしSLC7A6の遺伝子断片は同定し得なかった. 2.多型(SNP)解析(半澤,吉田,原) ウマSLC12A4,SLC7A9および10に認められたSingle Nucleotide Polymorphism (SNP)と赤血球抗原型および赤血球膜脆弱性との関連を推計学的に解析した.その結果,SLC7A10のSNPと赤血球膜脆弱性との間に弱い相関を認めた.しかし,各遺伝子SNPと赤血球抗原型システム:A, C, K, PおよびQとの間には,明確な関係は認められなかった. 3.マッピング(半澤,Lear, Piumi, Bailey) 昨年スクリーニングにより得たSLC12A4およびSLC7A10陽性BACクローンは,Fluorescence in situ hybridizationによりそれぞれ3番および10番染色体上にマッピングされた。また,SLC12A4陽性BACクローンに含まれる各種遺伝子を同定し,ヒト16番染色体相同領域とのシンテニーの保存を示唆した.この過程で8つの相同遺伝子断片を同定した. 4.mRNAの同定(原,半澤,吉田) 末梢血由来の赤血球系幹細胞より2段階液体培養法を用いてmRNAを得,RT-PCR法によりSLC12A4,SLC7A10および9,ならびにSLC3A2のmRNAの発現を確認したところ,SLC12A4およびSLC3A2の発現を確認した
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