研究課題/領域番号 |
15580273
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
杉山 誠 岐阜大学, 農学部, 助教授 (80196774)
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研究分担者 |
北川 均 岐阜大学, 農学部, 教授 (70144003)
源 宣之 岐阜大学, 農学部, 教授 (10144007)
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キーワード | ロタウイルス / 血清疫学 / 発現精製VP8 / ラテックス凝集試験 / 中和試験 / 感染環 |
研究概要 |
ロタウイルスPO-13株(トリ由来)、SA-11株(動物由来)およびWa株(ヒト由来)VP8蛋白質をグルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)融合の形で大量に大腸菌で発現させ、精製した。この発現精製蛋白質が培養胞上のレセプターに特異的に結合することを確認した。続いて、各ウイルスの精製GST-VP8蛋白質をラテックス凝集試験に応用した(各Wa-、SA-、PO-LA試験)。秋田県のヒト100例、岐阜県のニホンザル87例および岐阜県のハト80例の血清を用いて、それぞれWa株、SA-11株及びPO-13株に対する中和試験とLA試験を行い、その結果を比較した。 Wa、SA-11及びPO-13各株に対する免疫血清を用いて、交差LA試験を行ったところ、ホモの系ではWa-、SA-及びPO-LA抗体価がそれぞれ1024、256及び2048倍であったのに対して、ヘテロの系ではいずれも8倍未満となった。ヒト血清においてWa-LA試験と中和試験との結果の一致率は91.0%であった。両試験の抗体価の間には高い相関関係が認められた(r=0.817)。同様に、サル血清においてSA-LA試験と中和試験の結果の一致率は75.9であり、両抗体価の間には相関関係が認められた(r=0.672)。ハト血清においてPO-LA試験と中和試験の結果の一致率は80.0%であり、両抗体価間には比較的高い相関関係が認められた(r=0.794)。 3つの異なるタイプのロタウイルスに対する抗体を特異的に検出するLA試験の開発に成功した。現在、様々なロタウイルス株に対する免疫血清を作製し、VP8蛋白質間の相同性の程度と交差LA反応の関係について検討を進めている。
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